【怖い話】 フィクション
みなさん、どうも。
SINです。
まず、お断りします。
これはフィクションです。最近では都市伝説として広がりつつあるようです。
ところが、ある段階から実話になってしまう奇妙な話です。
今、読んでるあなたにも実話になる可能性がある希有なお話です。
(フィクションの部分)
Kさんとその仲間は、しごとの打ち上げの後、二次会へ向かいました。活動的なKさ
んが先頭を行きます。横断歩道へ出たKさんは「おーい、こっちだ!!」と手を振りまし
た。その時、信号無視の大型トラックが暴走してきました。トラックはKさんをはねる
と、そのまま逃げました。
Kさんは両手両足を切断され、片方の眼球が飛び出していましたが、生きていまし
た。
病院へ運ばれ治療を受けましたが、様態は芳しくありません。
Kさんは包帯だらけの姿で片方の目で仲間を見ると言いました。
「俺をこんなんにした奴、見つけてくれ」
必ず見つけると仲間は涙ながらに約束しました。
Kさんは治療の甲斐なく亡くなりました。
警察の捜査でもひき逃げの犯人は捕まりません。仲間も必死で聞き込みをしました
が、警察が捕まえられないものを素人が捜せるはずもありません。無為に一年が過ぎ、
仲間はKさんの一周忌に無念の墓参りをしました。
「すまなんだ。K。よう見つけんかった。これからも捜すから堪忍や」
その時、ボソボソと囁く声が聞こえます。一同が辺りを見回すと、背後に包帯だらけ
のKさんがいました。
「うわぁー!!」
悲鳴を上げる仲間にKさんの亡霊が言いました。
「俺をこんなんにしたんは、お前かぁ〜」
「違う」と叫ぶと煙のようにKさんは姿を消しました。
内緒にしようという約束にも関わらず、この話はあっと言う間に広がりました。そし
て、話を聞いた人間がエレベーターに乗りますと、誰もいなかったはずのエレベーター
の隅に包帯だらけの男がいます。男は片目で睨むと言います。
「俺をこんなんにしたんはお前かぁ」
又、ある人がお風呂に入っていると、背後に人の気配。振り替えると包帯だらけの男
が片目で睨み、「俺をこんなんにしたんはお前かぁ」
Kさんは自分で犯人を捜しているんだと誰もが言いました。
さて、この話、当初は実話として語られていました。そして、聞いた人間は必ずKさ
んの亡霊を見るという触れ込みでした。
私にこの話を教えてくれた先輩は、聞き込みでこれが虚構であることを確認しまし
た。
ところがです。
ここから奇妙になってくるのです。
虚構であると断っているにも関わらず、Kさんを見る人が出てくるのです。
私が話した人にも二人、Kさんを見ています。
先輩の話ですと、4、50人に一人位の確率で見るそうです。
単純な暗示だと思います。ところが、先輩は違うと言います。
お気づきでしょうか?
Kさんが片目で睨むと書きましたが、どっちの目か明記していません。にも関わら
ず、Kさんと遭遇した人々の証言はその目がどちらの目であったか一致しています。
もし、この話を読んで、不幸にもKさんを見た方がいられましたら、どっちの目であ
ったか教えて下さいね。