【奇妙な話】 花火
みなさん、どうも。
SINです。
大学生の時、夕方食堂でだべっていたら、誰かが生駒遊園地へ行こうと言い出しまし
た。
夏の生駒は夜でも遊園地をしています。
男同士で車に分乗して生駒へ向かいました。
途中、見晴らしの良い場所で夜景を眺めました。アベックが多いので意識して馬鹿騒
ぎをしていました。
私は缶コーヒー片手にタバコをふかし、ウンコ座りをしておりました。
その時、背後の空がぱっと明るくなりました。
振り返ると空一面に大輪の花火が開いていました。
その見事さに思わず見とれました。
しばらくすると,また、別の花火が上がります。しかし、おかしい・・・・
打ち上げる音がしないのです。音がないまま、花火の映像のみが夜空を染めます。
私は友人達を振り返りました。誰一人花火を見ようとしません。夜景を見て騒いでい
ます。
(・・・・花火の幽霊?)
ぞっとしない考えが頭をよぎりました。
私は頭をうなだれ空を視界に入れないようにしました。
あの花火を見ているととんでもないことになる気がしました。
友人が私の様子を心配して「どうした?」と声をかけてくれました。「気分が悪い」
と答えました。嘘ではありません。悪寒を感じていたのです。
帰ってから三日間,高熱で寝込みました。