【不思議な話】夜中の音

FKYOTOフォーラムマネージャー杉山さんのお話。

みなさん、こんにちは。(^^)
SINさんの怖い話を夜中に読むのが趣味になりつつある吉祥院です(^^;
さて、みなさんの怖い話を読むだけでは申し訳ないので、数少ない私の不思議な体験
をご披露させて頂きます。これは金縛りツリーの中にも一部書いた事とダブりますが
ご容赦下さい。

 私が高校2年生の事です。
私は当時鉄筋コンクリートの築25年を超える古いアパートに住んでおりました。夜更
かしの癖のあった私は通常で1時ぐらい、試験前などは3時ぐらいまでは起きておりま
した。最初にこの現象が起きたのは確か2時過ぎだったので試験勉強をしていた時か
も知れません。

私の部屋は壁一枚隔てて隣の家(アパートですから、部屋の方が適切ですが)に面し
ていました。そして、長い間そこは空き家でした。

 鉄筋コンクリートの建物って、夜に気温が下がるときに「ばき」とか「めき」とか
音を立てますよね。その夜最初その音がした時は別段気にもしませんでした。
 私が「今夜は異常だな」と思い出したのは、その音が10回以上も鳴った頃からです。
音もいつもと少し違います。「ばき」という、コンクリートが収縮する音、というよ
り「とんとん」とノックをする音の様なのです。私は壁に向かって机に座っていまし
たが、頭を机から上げて、目の前の壁を見ました。そして、まだ続いている音に耳を
澄ますと、その音が誰もいない筈の隣の家との仕切りの壁から、つまり私の座ってい
る目の前の壁から出ている事に気が付きました。

その夜は「鼠でもいるんだろ」で床に就きました。
けれども、その音はその日を境にして、殆ど毎夜の様に続きました。しかも大体時間
は1時半から2時の間に始まり、30分程度続いて終わります。それでも私はコンクリー
トの収縮だと思うようにしてました。
 状況が変わってきたのは1月ぐらいしてからでしょうか。私はその時も机に向かっ
ていました。机の上に辞書やノートがありましたので、何か勉強をしていた時です。
ふと時計をみると2時前。私は「そろそろ来るな」と思いました。
 そして始まりました。しかし、この時は音の発生源が違ったのです。私の机の上に
あった手作りの地球儀が鳴り出したのです。まるで指で弾くように「こんこん」と。
私は地球儀を凝視しました。すると、それが...ゆっくりと回りだしたのです。

 私は滑り落ちるようにして机から離れました。そして反対側の壁に背中をぴったり
と付け、膝を抱えて時が過ぎていくのを待ちました。机の上から重たい辞書が落ちる
のが見えました。あれは広げて机の上に置いてあったのです。普通なら落ちるはずは
ありません。

こういった事が約半年ほど続いた後、そういった事はぴたりと起こらなくなりました。
年齢的なものなんでしょうか。それとも当時勉強疲れで頭がどうかなっていたんでし
ょうか。どちらにしても不思議な経験です。

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