【怖い話】 蟲
みなさん、どうも。
SINです。
FKYOTOではミステリースポットオフがあります。某御山に登った際に思い出した話が
あります。
京都に下宿していた友人がおります。大阪の彼女に大文字を見せるため、某御山に
登りました。普段は人気がないのでムードが出ると思ったそうですが、その山普通で
はありません。不幸な事に彼女も普通ではなかったのです。
普段は人気がないその山も同じような発想の人々でにぎわっています。
しかし、浴衣姿で現れた彼女は山を見るなり「・・・・・なに? ここ?」と青ざめた
そうです。無口になって暫く参道を登った彼女ですが、ある場所でぴたりと動かなく
なりました。
「どったの?」
そう尋ねると「あそこ・・・・・」と参道横の暗がりを指さします。見てみるとただの
草むらに彼には見えます。
「私だめだ。帰る」
獲物を逃がした落胆に彼はその山を憎みました。
さて、彼はメットインのスクーターで通学しておりました。(大学生です)
件の山の前を毎日通ります。
大文字の夜から数日後、彼はふと彼女がさした草むらに何があったかが気になりま
した。
バイクを止めて参道を登ります。
夕暮れのせいなのか、その草むらは妙に黄昏色に見えたと言います。
入ってみると誰かが掘り起こして埋めた後があります。棒も立ってます。
何かなと掘り起こすと、小さな素焼きの壺が出て来ました。黄色の紙で蓋がしてあ
りました。蓋を剥がして見ましたが、中は空です。
拍子抜けした気分でしたが、妙な風が吹いたような気がして、彼はバイクまで戻り
ました。
ヘルメットを出そうとシートを開けて、彼は悲鳴を上げました。
シートの裏にびっしりとカメムシが張り付いていたのです。
バイクを捨てて下宿に逃げ帰った彼は台所で再び悲鳴を上げて嘔吐する事になりま
す。
蟲毒だったんでしょうね・・・・・