【怖い話】 聞くんじゃなかった・・・・・
みなさん、どうも。
SINです。
「見える」方々は多々おられるようですが、見え方には個人差があるようで
すね。
なかには何も見えないが、「そこ」にいる気配だけは分かると言う方もいます。見
えないのに相手の性別などが分かるのは不思議ですね。
実在するようにリアルに見える方からぼんやりした霧のように見える方まで様々で
すが、「そこ」にいる! と言う認識だけは共通するのが面白い所です。
さて、彼はぼんやりとした影としてそれまでは見えていたようです。
ただそれは、そういう光景で「霊」などとは関係ないと思っていたそうです。
たとえ、昼日中の公園の中央に柱のような霧の塊があっても、そういうものがある
と思って済ませて来ました。
彼が「見える」事を認識したのは小学年生の時です。
家族で盆踊りへ行くとき、墓場の横の路地を通りました。彼には光霧が墓場の上を
取り巻いているように見えました。
幽霊への知識はついて来る年齢です。
彼はお父さんに「あの霧が幽霊なん?」と尋ねました。
お母さんは「やめてよ」と眉を曇らせます。他の家族には見えないようです。
つと目を細めて「・・・・・見えるか。あれが」お父さんはそう呟きました。
お父さんがついと眺め回すと霧は具体的に人の形に変貌していきました。
彼のお父さんは普通のサラリーマンでしたが、「御祓いが出来る人」として周知の
方でもあったそうです。
以後、彼ははっきりとそれらを見る事になります。
旅行へ行けばやばい部屋は分かる。シーツが下からモコモコ動くと見ていると、惨
殺死体になる。
某温泉では底の方から髪の毛が大量に湧いて来て「うわぁぁぁ!!」と思っている
と、唐突に胸元から生首が浮かび上がったそうです。
「旅行も行けない」そう彼は嘆きます。
お父さんは「お前はこれから怖い思いをするだろうから、滝行でもしに行くか?」
と誘ったそうですが、彼は宗教は嫌いです。
「あの時、親父に聞くんじゃなかった」
彼は嘆いてます。