伏見稲荷の話


 みなさん、どうも。
 SINです。
 紅葉オフの前日、私はPITさん達と伏見稲荷へ行ってました。
 それを宴会の席で言った所、こんな体験を聞かせてくれた人がいます。

 彼は友人と肝試しのつもりで夜の伏見稲荷へ出かけたそうです。ムードは満点、怯
えながら進んでいると、あの赤い鳥居が連なる向こうからお婆さんがゆっくりと現れ
たそうです。
 そのお婆さんは彼らの前に来ると目上げるようにして「こんな時間にこんな所へ来
ちゃいけないよぉ〜」と言ったそうです。
 それだけで彼らは震え上がり、逃げ帰ったそうです。

「後から考えたら」宴会の席で彼は言いました。
「その婆さんこそどこから来たんだと怖くなりました」
「まぁ、上にも人は住んでいるし・・・・・」私はビールをあおりながら答えます。「仮
にそうだとしても良い人ではないですか。忠告してくれるんだから・・・・・悪い奴なら
招きますよ」

 これだけでは、なんなんで、私がPITと泊まった宿のお話。
 高瀬川沿いの大変安いそのお宿に着くまで私は大変不安でした。場所が場所です。
「粗塩でも買うべきかな?」車の中で呟くと、PITさんも同様の思いだったのか「岩塩で
も良いですね」と答えます。
 幸い想像したのとは違い、対応の良いお宿でした。
 部屋も古いですが出る気配はありません。
 ただお便所が共同です。
 お便所とお風呂の場所を教えて頂いた後、私はふと窓から中庭を見ました。
 灯籠があります。
 黙って見つめていると、気配もなくPITさんが私の肩から首を出します。
「あれですか? 大丈夫でしょう」
「動けないみたいだね」
「文字通り地縛霊ですね」
 二人はそう言って笑いました。

 こんなんだから、滅多な事では怪談にならんのです。私は・・・・・( __)_/

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