堤防に来て花をくれ

※警鐘として掲載する事を健康法師さんよりご許可頂きました。


       注:心臓の弱い人はこれは読み飛ばしたほうがいいかもしれません
       この話は、恐らくこっくりさんに関連するものの中で最も恐るべき
       かつ戦慄すべきものとして語り伝えられていたものです(だからこ
       っくりさんなんて無闇不注意にやらないほうがいいよという例話と
       して私が使っているものなのですが (^=^; )

この事件は昔「逆さ京都」である札幌で起こりました。

 ミーハーの中学校1, 2年生の女の子達が昼休みか放課後に日溜りの教室の一角で
みんなで集まってこっくりさんをしていました。そういう光景は別に何の変哲もあ
りませんでした。彼女達は紙のまん中に神社のマークを描き,巫の役の女子生徒が
鉛筆を持って面白半分に「霊のお托宣」を承っていたのです。ところろがそうして
いるうちにどういう加減か鉛筆を持った手が半随意的に(わざとやっているようで
半分ランダムに,それはちょうどあたかも顔にたかってきた蚊を反射的に追い払う
時のように)動きはじめ,その動きはまわりに書き並べた文字を逐一拾い上げ、そ
れは順に並べるとこんな文章になりました。

  「 テ イ ボ ウ ニ キ テ ハ ナ ヲ ク レ 」

 その時夏の日差しが眩しく暖かかった教室に急に底冷えがきたかのような重苦し
い空気が上からのしかかってくるのがそこにいた女子生徒達が一様に感じられたと
いいます。感受性の強い女の子はそこで恐怖を感じて泣き出しました。一体この言
葉は何を意味するのか? それともこれは偶然の産物なのか? または何か誰かの
霊がその死を供養してくれと呼びかけているのか? 女の子達にその答えは当然な
がらありませんでした。とにかくそこにいたクラスメート達は、このままでは良く
ないことが起こってはいけないというのでが沢山集まって善後策を検討しました。
なにであれ,これは多分その学校の近くを流れる川(豊平川)でかつて水死した生
徒の霊かも知れないから,これはそのメッセージの言うことを聞いて近所のお花屋
から生花の束を買ってきて川に流して供養してあげるのが一番いい、という、そう
いう可愛いらしい、なごやかな結論になったのであります。そこで彼女達はけなげ
にもお金を出し合って生花の束を買いました。


 その翌日、彼女達はみんな揃ってゾロゾロ豊平川の堤防に供養に行きました。そ
れは非常によく晴れた暑い日だったそうです。堤防から川岸に降りるにはコンクリ
ートの舗道から鋼鉄製のアクセス用の階段があり,みんなで連れだってそれを降り
ました。彼女達は互いにものも言わず神妙な面もちで河川敷を横切って川の流れの
ほとりに行きました。そこに着いた彼女達はただ呆然と川が流れるのを眺めていま
したが、やがて代表格の女の子が多分なにか霊を慰めるつもりの言葉を述べ、それ
とともに生花の束を川の流れに落としたのです。異変はその時に起こりました。生
花の束が川面に落ちてほんの数秒程度の短い時間が経過した時、突然、今さっき彼
女達が堤防から河川敷に降りてきた鋼鉄製の簡易階段から

   カ、カン カンカンカンカンッ!! 

というけたたましい音が静寂を破りました。それは明らかに誰かが下駄ばきで鉄製
階段を大急ぎで駆け上って行く音でした。ところが彼女達がまだそのけたたましい
音が続いている真っ最中に一斉に後ろを振り向いたにもかかわらず、何とそこには
誰も人影がなかったのです。

たちまちその場所は大パニックに陥り,何人かにしがみついて泣き叫ぶ子,靴を片
方ヤブに引っかけたままほうほうの体で逃げて行く子,呆然と立ちすくむ子など、
それは大変な騒ぎだったそうです。想像に余りあります。


 因みに、この話を大昔にある草の根ネットで公開したところ、ある読者がこれに
対して霊に感じたのかレスをつけて、こう言いました。(以下原文のママ)

  >その「テイボウニキテハナヲクレ」は、それだけで済まないのだ。
  >文字を並べなおすと、この事件の全部を記述しているのだ。
  >まず、こっくりさんをやっていたとき、
  >  「テニハボウレイヲキテナク」→ (手には亡霊於きて哭く)
  >続いて、亡霊からのメッセージ。
  >  「テイボウニキテハナヲクレ」→ (堤防にきて花をくれ)
  >みんなが花を捧げると、亡霊は河底から浮かんできた。
  >  「ボクウキテハナヲテニイレ」→ (僕浮きて花を手に入れ)
  >それから、
  >  「ハレテテイボウナニヲキク」→ (晴れて堤防何を聞く)
  >それが、階段の「カカンカンカンカンッ!!」なのだ。


                                 健康法師

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