【奇妙な話】 なめくじ
名無しさんのお話。
いや〜世間は今年度末、忙しさの余り気が変になりかけている方も大勢いら
っしゃると思います。今回はそんな男性が体験したお話です。
その方はここ一ヶ月程度、毎日明け方まで自宅で仕事をし、仮眠をとったあ
と出社するという生活を続けていました。その夜も明け方の五時頃まで仕事を
する予定にしていたのですが、夜中のの二時頃にふと横になったところ余りに
も気持ちが良かったので、そのままこたつで眠ってしまいました。
どれくらい眠ったでしょうか、彼はある異変に気が付いて目を覚ましました。
と言っても、目が相当に疲れている為、意識は起きていても目を見開いていな
い状態です。その異変とは・・・・・・・・・・・・
「唇に何か冷たくてぬめっとした何かがくっついている」のです。最初彼は
「ナメクジかな?」と思ったと言います。しかし恐る恐る右手で自分の唇を触
ってみても、ナメクジが這っている形跡は感じられません。「この感覚は一体
何なんだろう・・・・・・・・・」彼は目を閉じたまま考えました。そして鼻に何やら冷
たいモノを感じたとき、彼の頭はトンでもない仮説をたてました。
「フレンチキス?しかし何故冷たい・・・・・・・・!!!!」彼は咄嗟に何もいない筈
の虚空を手刀でデタラメに斬りつけました。当然手応えはありません。(手応
えがあった方がコワイですが・・・・・・・) 手応えがないことに落ち着きを取り戻
した彼は、ようやく目を開く事が出来ました。当然書斎には誰もいません。近
くに鏡があったので、自分の顔を見てみたいと思ったそうですが、寸前で思い
留まったそうです。
「駄目だ・・・・・・疲れすぎだ・・・・・・・・・」そう悟った彼は、自宅での残業を打
ち切り、今度は寝室で、朝まで頭まで布団を被って熟睡したそうです。