浅黄色の夢



 みなさん、どうも。
 SINです。
 ある方からメールで不思議なお話を聞きました。

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一つだけですが、新選組に関する不思議な話を知っているんです。
恐くはありませんが、何かのご参考になったらと思います。

もう12、3年程前の話になります。
私は趣味で描いてた漫画を通じて知り合った友達の家に招かれました。
友人の家は東京の国分寺駅から10分程バスに乗った所にありました。
約束した日に遊びに行くと、私の他にも何人かの女の子達が集まっていました。
友人を除いては全員初対面の人達です。
でも漫画という共通の話題があったので、打ち解けるのにそれほど
時間はかかりませんでした。
何時間も他愛のない話で盛り上がっている内に、
何故か話題が怪談話に変わっていきました。
集まったメンバーの中に、A子さんという高校を出たばかりの
女の子がいました。
何回も恐い体験をしているらしくて、色々な話を知っている人のようでした。
その中でA子さんが特に不思議な体験を聞かせてくれたのが以下の話です。

A子さんがまだ高校生だったある晩、
川のすぐ近くに立っている夢を見たんだそうです。
目の前には橋があります。
ふと向こう岸を見るとそこは花が咲き乱れる、とても綺麗な場所で
何人もの人がこちらに向かって手を振っていました。
その人達はA子さんを「こちらへおいで」と呼んでいました。
人々の中には亡くなったA子さんのおばあさんと、
何故かA子さんのクラスメイトのBFで、
半年前にバイク事故でこの世を去った少年もいたそうです。
皆んながしきりに呼ぶのと綺麗な景色に誘われて、
A子さんは呼ばれるまま、目の前の渡ろうとしました。
その時です。
A子さんは後ろから誰かに腕をグイッと掴まれたんだそうです。
びっくりして振り返ると、すぐそばに見知らぬ男の人が立っていました。
A子さんが戸惑っていると、男の人は
「君はまだその橋を渡ってはいけない」
と、するどい目でA子さんを睨みながら言ったそうです。
いきなり現れた男性を見てA子さんは恐くなりました。
おまけにその人は変な格好をしているのです。
着物を着て羽織をはおっていましたが、その羽織には
袖にジグザグと山のような形の模様があります。
額には金物がついた鉢巻を巻いていました。
そしてその男性の横には、やはり同じような着物を着た青年が立っていたそうです。
(この青年は恐くなかったと言っていました)
男性に引き止められている間にも、向こう岸では皆んなが呼び続けています。
A子さんは橋を渡りたくてたまらなかったけれど男性が恐くて渡る決心がつかず、
仕方なしに川沿いを歩く事にしました。
それにともなって向こう岸の人達も移動してきます。
恨めしい思いで自分を引き留めた男性をチラチラ伺うと、
向こうも見張るようにじっとこちらを見ていました。
仕方なしにA子さんは川沿いを歩きつづけました。
夢はここまでで、気がつくと朝になっていたそうです。

次の日A子さんは学校でクラスメイト達にその夢の話をしました。
すると、どこにでもファンはいるもので、
夢の中でA子さんを引き留めた男性の描写を聞いていたクラスメイトの一人が
「それ、新選組じゃないの?」
と問いかけて来たのです。
「新選組っ何?」
A子さんはその時まで新選組を知りませんでした。
名前くらいは聞いた事があるけれど、彼女曰く
「赤穂浪士と新選組の区別もつかなかった」
くらいに、歴史に興味がありませんでした。
呆れながらもA子さんの夢にロマンを感じたクラスメイトは
放課後、図書館でA子さんに新選組に関する本を見せてくれました。
クラスメイトと一緒に本をめくっている内、
A子さんはある一枚の写真に目を奪われたのです。
そしてその写真を指差しながらクラスメイトに言いました。
「この人だ。私の腕を掴んだ男の人」
写真は土方歳三の物でした。

この話にはもう一つ不思議な事があります。
学校で夢の話を聞いていたクラスメイトの中には
バイク事故で亡くなった少年のGFもいたのです。
A子さんが「夢の中の川の向こうにはあなたの彼もいたよ」
と、告げると、
「あの人、どんな服を着ていた?」と聞かれたそうです。
A子さんは記憶にある少年の服装を言いました。
「黒いタートルネックのセーターと茶色のズボンだった」
そのとたん、彼女は泣き出したそうです。
「それ、彼が事故にあった時に着ていた服……」

出来すぎた話だと思います。
でも私が見たA子さんは、嘘をつくような人には見えませんでした。
ちなみに彼女はその当時東京の外れの「日野市」に住んでいました。
ですが、御両親は元々九州の人で特に日野に縁が深い分けではなかったそうです。
A子さんはこの他にも金縛りに良く遇うとか、一度は妹さんの目の前で
鎧を着た武者に手首を切られたなんて恐い話を聞かせてくれました。

私はこの夢の話を聞いた時に羨ましくて仕方なかったです。
もし彼女が見たのが本当に土方さんだとしたら、もう一人の青年の名前も
言わずと知れたって気がしますよね?
でも、そうだとすると近藤さんがいないのが寂しいような……。
この話を聞いた当時は「土方さん達はまだ川の向こうにいけないの?可哀想」
なんて思いましたが、あれから10年以上も立ちましたから
今は無事に綺麗な花畑の向こうに着いていると信じています。

以上です。
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 夢で土方に会えるなんて,羨ましい・・・・・
 Tさん、情報ありがとうございます。m(__)m

 

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