【奇妙な話】 虚無僧
みなさん、どうも。
SINです。
ある方のお話です。
「なぁ、虚無僧ってどこにでもいるもんじゃねえのか?」と尋ねますので「いねえ
よ」と答えると考え込んでしまわれました。
その人は「隣のトトロ」のような田舎で育ちました。
車やバイクなど見かける事すらなく、たまに通ると「車だぁぁぁ〜」と叫んでみん
なで追いかけるような生活だったそうです。
遊び場には事欠きません。
いつも十人位のグループで鬼ごっこや野球に興じていたそうです。
なにかのおりに、ふと振り返ると離れた所で静かに佇む虚無僧がいたそうです。
別に違和感もなく興味も持たなかったそうです。
(ちなみに近くに神社はあったが、お寺はなかったそうです)
成人してからもそれは続き、なにかのおりに振り返ると虚無僧が佇んでいるのを良
く見たそうです。
ある日、彼女と天王寺の陸橋を歩いていると托鉢する虚無僧がいました。
彼女は「わたし、虚無僧なんてTV以外で初めて見たわ」と言うので「あんなんど
こでもいるじゃん」と答えると、無言でずざざと引かれたんでショックを受けたそう
でした。
多少は霊感のある人でしたんで「後ろの人じゃねえの?」と尋ねると、「そういう
のとは違う」と言います。気配は生きている人と変わらぬのだそうです。
今でもふと振り返ると道ばたにいるのを見るんだそうです。
「あれはなんなんだ?」
答える言葉はありませんでした。
余談ですが、夏になると必ず夕暮れに人魂が飛び交う野原があり、人魂を知らぬ彼
は捕虫網で捕まえようと追いかけ回す少年時代であったそうですから、何があっても
しょうがないんじゃないかと思います。(-。-)y-゚゚゚