【怖い話】 手招きする幽霊2
Sさんのお話
今度はσ(^^)の体験談です。
弟からこの話しを聞き、一度行ってみたいと思っていたのですが、この
場所というのが淡輪という所で、家から車で2時間は掛かるので、なかな
か行けませんでした。
ある日、次の日も休日だということで、夜に弟と車でぶらぶらしていま
した。その時にまた淡輪の話しが出たもので、いい機会に行ってみること
にしました。
その場所につくまでの間の弟の話しでは、あの後、何度かタ方から夜に
かけて違う友人達とも行ってみたが、あれ以来なにも起こらないとのこと
でした。だからあまり期待(?)はしていませんでした。
その場所に着いたのは午前2時前。偶然にも弟が見えた時間と同じでし
た。以前と同じ場所に車を止め、早速行ってみることにしました。
その場所に行くには、左がフェンス、上が木の繁みになった細い道を通
って行きます。弟と私は、見えるかな、もしオレがフラフラ行ったら止め
てくれよ、などと軽口をたたきながらそこへ向かって行きました。
その時です。弟と私は同時に足を止めました。目はその細い道に釘付け
になりました。
真っ暗です。まわりは街灯の明かりに照らされているのにフェンスと木
の間のちょうどトンネルのようになった部分だけ、すっぽり切り取られた
ように黒いのです。そしてまるでそこから先はなにもないように思えまし
た。
私の体に足元から頭に抜けるような感じのゾクゾク感が襲いました。こ
れまで感動、物理的な恐怖、寒さ、いろんなゾクゾク感は味わったことが
ありましたが、そのどれでもないもっと体の奥の方からくる感じでした。
それまで軽口を言っていたのに、その闇を見たとたん声が出なくなりまし
た。
一応もう少しだけ近付くつもりで止まった足を動ごかそうとしました。
ところが頭では前に進もうとするのに、まるで自分の動物的な部分が拒否
反応を起こしているようで、立ったまま金縛りになった感じでした。
「あかん、やめよ」
弟のその声で、はっと我に返りました。
私達は興奮して小走しりに車に戻りました。
弟に聞くと、弟にも私が見えたのと同じ闇が見え、同じ感覚が襲ったよ
うでした。
私達は、ああだこうだと自分の感じたことを話した後、もう一度行っみ
ようということになりました。
ところが、もう一度行ってみると先程の闇がなくなっているのです。左
側が網のフェンスのため街灯の光がさし込み、はっきりと道の奥の方まで
見えます。さっき足が止まった所を越えてもゾクゾクもしません。全々行
けそうです。ついさっきの出来事がウソのように思えます。ですが二人で
話し合い、どうも誘われているのではないかという気がして私達は行くの
をやめました。
これがもし私一人だったら、目の錯角かなにかだと思えたのですが、こ
の出来事が私の錯覚や感違いによるものでなければ、ここにいる霊はかな
り邪悪な気を放っていたように感じました。願わくば誰かが被害にあう前
に成仏していただきたいと思います。(-人-)