【怖い話】 道祖神社

 Tさんのお話


私は当時、大阪茨木にある、某女子大に通っておりました。
そこは、立地条件が非常に悪く、スクールバスを使わないと大変不便でした。
私は、図書館の本を返却する為に、夏期休暇中に大学へ行ったのですが、
夏期休暇中は、スクールバスの本数が少なく、不便さが二乗(;_;)
一時間近くもスクールバスを待ってられないので、相方と二人で、私鉄バスに乗り、
大学の近くのバス亭で降りました。
夏の陽射しに容赦なく照らされながら、山道を登る事、約10分。大学に到着。

「いっぺん、Tの学校見てみたい」と言って、相方は付いて来たものの、
さすがに女子大の校内には入れられないので(^^;)門の外で待っていてもらい、
私は、図書館へと急ぎました。

さあ、ここからが本題です!

その間、相方は、「ボケーッと待っているのも何だし、散策でもしよう!」と、
大学の脇にある細い道を歩いていったのでした。
その道の先には「道祖神社(さいじんじゃ)」という神社があります。
自動車で通学している人は、よくそこの境内に駐車していました。
車を止めると、何処からともなく、お爺さんが現れて、駐車料金として700円を
徴収するそうです(^^;)1分でも1日中でも700円。

相方は、神社の境内に入ってすぐ「ゾクッ!」と来るものがあり、
「ヤバイ!」と思ったらしく、踵を返した瞬間、外された釣り鐘が視界に入り、
それを見たとたんに「もう帰れない!」という思いが込み上げ、いつも持っている
お守りを握り締め、彼が信仰している神様の名前を叫びました。

やっとの思いで、大学の門の所まで辿り着いた相方。
そこへ、何にも知らない、呑気な私が帰ってきて「どうしたん?顔蒼いで。日射病?」
相方は、私に「いいか!絶対に、あの神社へは行くな!」と言い、さっきの出来事を
話してくれました。

さて、数日後、この話を、知り合いの卒業生の方に話すと、
「ああ。Tちゃんは、編入生だから知らないのね。二〜三年前、あそこで心中が
あったんよ。」と言われました。
「朝、ガソリン臭くって、皆、何やろうって言ってたら、境内で自動車が燃えていて
自動車の中には女性が、自動車の外には男性がいたの・・・。」


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