【怖い話】 伏見稲荷
お坊様でもあるKさんのお話
今から6、7年前の正月、私はとあるフォーラムの初詣オフに参加して、伏見稲
荷大社へ行きました。そして、わいわいと妙に盛り上がった雰囲気でお参りを済
ませた一同は、そのうわついたままの勢いで、赤い鳥居を奉納して帰ることにな
りました。勿論、一番小さい高さ30センチほどの鳥居ですが、「NIFTY-Serve」
の文字とフォーラム名が墨痕鮮やかに縦書き(笑)された鳥居を見て、「こんな
こと、面白半分にやってしまっていいのだろうか‥‥?」と思ったのは事実です。
ともあれ、件の鳥居を囲んで記念写真を撮ったりした後、みんなで手を合わせて
帰りましたが、その写真は、光が入ったのか、現像してみると、何人かが炎に包
まれたような姿で写っていました。(^_^;)
数日後、オフ参加者のうち製薬会社に勤める某氏が、洗っていた試験管が突然割
れて指先にケガをしました。写真のことも手伝って、「祟りじゃ祟りじゃ」と、
そのフォーラムのフリートーク会議室で大いに話題になりました。(^_^;)
そしてそれから約1ヶ月後のある夜、私は国道1号線を大阪から京都に向かって
車を走らせていました。夕食を摂る場所を捜しながら。
宇治川に架かる橋を渡って伏見区に入り、横大路交差点にさしかかった時、前方
にファミリーレストランが見えました。「あ、あそこにしようか」と思った次の
瞬間、目の前には、対向車線から右折して来た10tトレーラーの側面が。
不思議なのは、あとからいくら思い出そうとしても、ファミレスを視認してから
交差点に進入してトレーラーに気がつくまでの何分の1秒かの意識が欠落してい
る事なんです。
パニックブレーキも間に合わず、私の愛車「街の遊撃手」はフロント部を大破し、
90度左を向いて停止しました。シートベルトのおかげで、私は無事でしたが、
ジェミニは廃車となりました。(;_;)
トレーラーのほうは、まったく無傷。(^_^;) ほとんど自損事故のようなもので
した。まぁ、不幸中の幸いと言うべきだったでしょう。相手がトレーラーじゃな
くて小型車だったりしたら、Tボーン・クラッシュというやつで、相手も無事で
は済まなかったでしょうし‥‥
事故のショックから醒めた時、まず思ったのが「こいつは書き込みのネタになる
ぞ」だったのは、われながら哀しかったですが(笑)、またそれからしばらくは、
会議室が「祟りネタ」で盛り上がったのも事実です。(^_^;)
私は、その時は、祟りだなんて認めたくなかったのですが、仏様がぎりぎりのと
ころで助けて下さったんだろう、とは思っていました。お稲荷さんと阿弥陀さん
の綱引きですかね。(^_^;)
それ以来、見かけによらぬ飛ばし屋であった私の運転は、少しだけ慎重になり、
無事故(無違反ではないが(^_^;))で今に到っております。あるいは、お稲荷さ
んと阿弥陀さんが、共同で私に警告してくれたのかも知れません。(^_^;)