【怖い話】 無限回廊
kiyotoさんのお話
高校の天文部で観察会を学校に泊りがけでやった時、
後輩の一人が気が付くといなくなっていました。
うちの学校はドカベンのモデルとなった高校ですが、
某神社の裏鬼門で信濃川の川辺、というなかなかな
立地条件の為か逸な話に事欠かず、その晩は満月と
いう事も相成って一部の(逸)部員達の心配を誘い、
グループに分かれて捜索隊を学校内に派遣する事となりました。
私(神主の家系)はやはり(逸)なOG(巫女の家系)と組んで
捜索する事となり(今から思うとこの組み合わせって・・・(ーー;))
分担場所を一つずつめぐり、中庭に面する渡り廊下2Fを歩いて
いた時、事は起こりました。
満月の月明かりがあるとはいえ校舎内、差し込む光もたかが知れ、
薄暗い中いなくなった奴の名前を呼び掛けつつ行脚してると
OGが常態とは明らかに違う声色で「廊下がどこまでも続いてる・・・」
と言いだします。
そのOGを振り返り、視線を元に戻した時には私の目にも廊下が
どこまでも続いている様に見えました。
先ほどまでは薄暗かったのに眩いばかりの月明かりで廊下は青白く
輝き、その輝跡はどこまでも続いています。
瞬間、「引き込まれた」と感じましたがもう振り返りません、
なぜだか直感で「振り返ったらやばい」と感じ、目を閉じ
常日頃の廊下の状態を頭に思い浮かべました。
階段の位置とおおよその歩数を思い浮かべ、
OGの手を引きその位置まで歩きます。
しきりに「そこは壁だ、行ける訳がない」と思い浮かび、その度に
打ち消し、階段に向かいます。
階段のある位置まできた時には目を閉じているにも関わらず
目の前は壁、と見えるが如く感じ、無理だ、と強く思い浮かびます。
が、OGに目を閉じるよう告げ、そのまま一歩踏み出しました。
目を開くと渡り廊下と階段の境界に足を掛けており、先程までの
青白い月明かりはどこにもなく、やはり薄暗いままでした。
後日、私達に輪をかけて(逸)なOBに聞いて中庭は結構やばい、
と知りました。
ちなみにいなくなった後輩は学校抜け出してコンビニに酒買いに
走っていたことが判明、酒を徴収の上でみんなで折檻しました。(^^ゞ