【奇妙な話】 おじいちゃんの足
Aさんのお話
これは、私が小学生の頃友人に教えて貰った経験です。子供の事ですので信
憑性については疑問な部分もありますが、当時のおびえ方から嘘はないものと
私は信じています。
彼の、お爺様がお亡くなりになったのは、そろそろ暖房の必要も本格的にな
ってくる初冬頃だったそうです。もともと、お爺様は、本家のお世話になって
いたので、彼には様態が悪くなっていたのも知らず、突然の知らせだったそう
です。ただ田舎に行った時など、よく遊んでもらってたので彼なりにショック
だったそうです。
両親と、ばたばたと駆けつけたお通夜も更けてきて子供は寝る事になり、用
意された布団に入ると彼はすぐ眠りに落ちたそうですが、真夜中にいきなり足
に冷たいものを感じ目が覚めました。その冷たいもの誰かの足のうらのようで
酔っぱらいが布団を間違えて入ってきたんだろうと思っていたのですが、かれ
が寝ていたのは、はじの方で足のあるのは壁だったのに思い当たった時、柱時
計が2時を知らせる音が響き、気が付くとそれまで隣室の喧噪もなくなり水を
うったように静まりかえっています。
恐怖で、足を引く事も出来ずその足とくっついたまま震えて一晩過ごしたそ
うですがいつしかまた眠りに落ち、気が付くと朝だったそうです。
慌てて、布団をはいだのですが、足もなく、確かにそこは壁だったそうです
。
さらに彼は、南に頭を向けて寝ていたので、その足の主は北枕で寝ていた事
に思いあたって、あれはおじいちゃんだったんだと、子供ながら納得したそう
です。