【怖い話】 無知

kiyotoさんのお話


 かって高校の頃、あの年代がオカルトにのめり込むご多分に漏れず、私も好奇心と
付け焼刃の知識に振り回され、相当お馬鹿な事をやっていました。
今から思うと赤面モノですが、その中でも最大のお馬鹿を修学旅行にて神社に対し
やってしまった時の話です。

 修学旅行の過程で倉敷による事になり、街中で自由行動となりました。
そこで(逸)な友人と散策したのですが、奥まった所に大きな、けど閑散とした神社
を見付けました。
 大きな鳥居、ビルの何階分にもなる階段、左右に長く広がる社殿、とても立派な神社
でした。
 祭神は覚えていないのですが、スサノオだったかなんだったか・・・
 で、本来なら正式なお参りの仕方がありますが、付け焼き刃な知識は結果として私に
恐ろしい事をさせてしまいました。
 なんと鳥居をくぐる時、丑寅の方向(神社の隅、この方向に注連縄をかけたひらけた
所があった)を拝む時、などに九字を切ってしまったのです。(印ではなく線を引く方)
友人に慌てて止められ間違いに気付き、改めて正式な方法で謝罪しながらお参りし敷
地を出たのですが、敷地を出る瞬間、階段の奥に広がる社殿を見上げた時、その空間いっ
ぱいに広がる荒ぶり咆哮する顔が一瞬だけ見えました。
 その後倉敷を去り瀬戸内海をフェリーで渡っている時に波間に浮かぶ数百もの不可解
なモノを見ましたが、起きた事象はそれだけで日程を消化し地元の新潟に戻りました。
 が、学校に戻り部室に顔を出すなり(逸)なOGがえらい剣幕で「何故あんな事をし
た」と詰め寄ってきます。
 事情を聞くと、気になって意識を飛ばしてみると祭神か何かを怒らせたか封を破った
か、幾多ものモノに包囲されているのを見、急ぎ鎮めたが身変わりにそのモノ達にやって
来られ、高熱を出すはめになった、との事でした。

 因みに戻ってきてしばらくの間、度々片手ないしは両手の血行が止まる
(青白いを通り越してどす黒くなる)症状に悩まされました。

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