【怖い話】 デスマスク

kiyotoさんのお話


 これは「無知」の修学旅行から戻ってきてしばらくたった頃の話です。

 以前住んでいた家の自室は、外が強烈な日差しで晒されてようと、月明かりが
眩い中だろうと関係なく、時に暗く霞が漂うようなそんな部屋でした。
 ふと夜中に目が覚め、枕元の時計を見ると2時53分を示しています。 
 まだまだ寝足りない私は布団を掛け直し、目を閉じた瞬間、急に身体が硬直し
動けなくなりました。
 よく金縛りにあっても身体の一部分を動かせば解ける、といいますが全身、足の
小指の先まで総動員してもピクリとも動きません。
 それでも踏ん張っていてふと気付くと部屋の天井、自分の真上辺りに黒い靄が人
形で漂い、顔の位置に真っ白なデスマスクの様なモノが浮かんでいるのが分かりま
した。
 最初はただ浮かんでいるだけでしたが、ゆるゆるとこちらに向かって近付いてきま
す。
 それが徐々に近くなり目の前に大きくのっぺりとした顔が広がった所で私は、仮面ラ
イダーの「やめろ、ショッカー!」ばりの雄叫びを内心上げ、気が付くと身体の硬直も解
けていました。
 枕元の時計は2時54分を示していました。

 (逸)な知人にはその体験よりも、そういう部屋に10年間何気に暮らしていた私の方
がおっかない、と言われました。(^^ゞ

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