【怖い話】 幽霊部員
同じくNさんのお話
当時、私は演劇部と漫画研究部の掛け持ちをしていました。
演劇部の方は廃部間際の所を、私が入学早々に人数を集めて再建した部で、
芝居の経験が長い事もあり、新入部員の頃から台本の仕上げも演出指導も
全て私がやっていました。ですから、漫研より入り浸る時間は長かったです(^^;。
その年の文化祭が近くなり、立ち稽古も佳境に入っていた頃の事です。
部活をしていたのは、特別教室の集まった鉄筋4階建ての最上階の視聴覚室。
部員の発声が完璧でないのでこの年は体育館での発表はせず、視聴覚室で
本番を予定していたので、実質上リハーサルと言っても過言ではありませんでした。
文化祭前の女子生徒の居残りは7時までと決められていたのですが、この日も
ギリギリの時間に練習終了。慌てて全員が後始末を終えて外に出ている中、
後輩二人が教室の一番後ろにある電源を落としに行きました。
私達は扉の前で待っていました。戸を締めると真っ暗になるため別の後輩が
扉を支えていました。彼女達は廊下から入る光を頼りに戻ってきます。
電源を落とした子が出た後、扉を開けていた子がまだ彼女の後ろに人がいるのに
戸を閉めようとしています。この手の悪戯はよくやっていたので
「またやってる(^^;;;」と思っていたのですが、そのまま重い戸を閉めカチンと
鍵を掛けてしまいました。これはいくらなんでも悪戯が過ぎる。
「何してんの!」
「はい?」
キョトンとした後輩の顔。
「まだ中に・・・」
と言い掛けて、よく見ると部員と助っ人に来ていた人達、全員が外にいます。
私は外に出てくる後輩達の一番後に、小柄で髪の長いパーマを掛けた女の子を
後輩の背後に見ていたのです。その少女の制服は夏服でネクタイの長さを
少し短く結んでいました。この時は皆冬服だったし、例え夏服の時期でも、
この生徒には心当たりがありません(^^;。
私が「だって・・・今、あんたの後ろに」と言ったら、そこにいた全員が
悲鳴をあげて階段を転げるように降りて行きました(^^;。
(当時、後輩達は私が「見える人」だと信じていたらしい(^^;;;。)
後日、この女生徒に少し背格好が似た子は演劇部に実在するので、
この事は「J子の生き霊事件」と語り継がれました(^^;;;。
(制服の着方は似てないけど、背格好と髪の長さが同じ位だったので。)
J子は私の級友でしたが霊感が強く、私に色々楽しい(笑)経験を
もたらしてくれた一人です(^^;;;。
余談ですが、この頃J子はバイトが忙しくて、モロ幽霊部員でした(笑)。