【怖い話:ブイ】

 やはり、なおさんからの投稿。

 次は、大学に入ってすぐの夏のことです。

 あるクラブに所属していて、夏の合宿に3泊か4泊の予定で学校のセミナーハウスに
行くことになりました。
 琵琶湖のすぐ近くにあって、いつでも泳ぎにいける、というところです。

 最初の夜だったか、先輩たちと夜中に、琵琶湖までいきました。
 何をするわけでもなく、
 置いてあるボートに座って雑談をしていたんです。
 沖にはオレンジ色のブイが等間隔に浮いてます。
 それを何気なく眺めていたんですが一箇所、ブイが消えていくんです。
 あれ?と思って隣に座っていた友人にも言って見てもらったんですが、その友人は気
にとめるふうでもなく、「そう?」と聞き流してしまいました。
 それでも、ずっと気になっていて見ていたら、やっぱりそこだけ暗〜くなって消えか
かっているんです。

 翌日、花火をしているときに
「見える」先輩と怖い話をしていたら、波も立っていない穏やかな湖面なのに一箇所の
ブイだけものすごい揺れ方をしているんです。
 その「見える」という先輩いわく、
「あれ、霊が両手に持って振ってるねん」というではありませんか!
 そうこうしているうちに
 数体の霊が出てきたようで、少し沖に行ったところに「きけん」と看板をかけた鉄柵
があるんですが、そこにも横たわっている、ということでした。
 そこで、前日に見たブイが消えていくのは何?ときいたところ
「それは霊がブイの前におるからやん」

 花火も終わり、セミナーハウスに帰る時、足元になにか細い糸のようなものが束にな
ってからみつくような感覚があり、足をばたつかせて、払うように歩いていました。
 するとまたその先輩が
「なおちゃん、足、うっとうしいやろ?」
「はい」
「からまってるもん」
「え・・・・(は〜、やっぱり・・・)」

 とくに何か悪いことがあったというわけじゃないのでいいんですけどね。

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