【怖い話:山の怪】

 村田さんからの投稿

 初めて投稿します。
 村田と申します。夢想庵さんはいつも楽しく見させてもらっています。
 霊感など全くない私ですが、生涯忘れられない体験をしたので投稿した次第です。
 私は高知県に住んでいるのですが、先の台風の際、山道を仕事で走っていました。
 落石注意のある山道です。台風の雨風が酷く、夜間と言うこともあり怯えて運転していました。
 山道は九十九折りです。右カーブを切ったところ、前方に奇怪な光景が目にはいりました。上空
に巨大な手が現れていたのです。
 目の錯覚ではだんじてありません。
 手首から先の毛むくじゃらの手で、爪が長く伸び、ごつごつした黒っぽい手です。爪は牙のように
も見えました。
 特筆すべきはその手の大きさで指の先から手首まで10メートルはあります。
 手は山肌を引っ掻こうとしています。
 私は車を停めてその手の様子をつぶさに観察しました。無論、怖かったですが・・・
 手が山肌を二度引っ掻くと山崩れがドーンと言う音と共に起こりました。
 私はただ驚き恐ろしさに震えていました。
 その手に気付かなければ、私は山崩れに遭っていました。
 これは妖怪の類でしょうか?
 それとも何かが私を救ってくれたのでしょうか?
 とにかく命があって良かったです。

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