【怖い話】京都のバー

MASHさんからの投稿。

今から10数年前、京都にある大学に通っていた頃の話です。
当時、一番の繁華街にある地下のバーでアルバイトをしていました。
入店当初からアルバイトの先輩たちから「この店は出るよ〜」と脅されていまし
た。
アルバイトを始めてから只ならぬ感覚があったのは否定できませんでしたが、
この出来事があってからは確信しました。

この店はドアを開けて左に階段があり7段程降り踊り場を経て更に7段降りると
左手にカウンター、正面にホールがあるといったお店でした。
地下なので普段から薄暗く、お客様がいない時はエアコンとBGMの音しか聞こえない
といった静かなお店でした。
ある日の夕方、繁華街に出かけた帰り、そのバーへ行きました。
勤務でなく、バイトの先輩たちと雑談をしにいったのです。

夕方の5時すぎだったでしょうか、店のOPENはまだで、お客さんは誰もいなくて
先輩2人と私の3人で話していたときです。
急に「ギギギ〜〜・・・」とテーブル席の椅子が動く音がしたのです。
正面にいた先輩を見ると、煙草を咥えたまま微動だにせず
テーブルのある方角を見ていたのでした。
「今、椅子が勝手に動いた・・・」とK先輩。「嘘や〜」と私。
「うあ!ホンマに椅子が動いている・・・」とT先輩。
恐る恐る私が振り向くと、セッティングされているはずの椅子が
一脚だけ引かれているのでした、まるで誰かが座っているかのように。
恐怖から3人は階段を駆け上がり店の外へ出て行きました。

カウンター内にいたK先輩が最後に出てきて「Bクン(私です)荷物は?」
と満面の笑みを浮かべて問いかけてきました。
「やばい〜買い物したのに。また店に入らなアカン。」
結果、3人で店に戻りとりあえず私は荷物を持って帰宅することにしました。

店内に戻ると、私の荷物が引かれた椅子のあるテーブルの上にありました。
「???」3人で顔を見合わせて、「Kクン、悪戯にも程があるで〜」とT先輩。
「いや、マジでしてないで・・・」K先輩。私の背筋には更なる冷気が・・・

誰が荷物を取りに行くのか、話し合いするまでもなくジャンケンで。
私が負けてしまいました。「自分の荷物やからな〜・・・」と気合いれて歩みだし
ました。
この店のホールは板張りで、カウンターがある床より1段低くなっていました。
ホールへ1歩踏み出した瞬間「コツ コツ コツ・・・・」足音が迫ってきたので
した。
「ギャア〜」と3人は脱兎の如く階段を駆け上がり再び店外へ・・・
この後最初のお客様が来るまで店外で時間をつぶした3人でした。

後から聞いた話ですが、京都の繁華街は昔は刑場だったと・・・
時代劇であるように、罪人が目付奉行から「磔獄門のうえ、○○○にてさらし首に!」
ひょっとしたら、その店の壁の向こうには処刑された人達の残留思念があるので
は・・・

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