【奇妙な話】送り火
Sです。今日は大文字の送り火ということで、供養もかねて短い話を投稿いたします。少し、書き方を変
えます。
それは今から十年程前の八月十六日から日が変わろうという十七日午前0時に起こった。送り火を見な
がら俺とばっちゃんは故人(お袋の話をしていた)を偲んで思い出話に耽っていた。時計の針が午前0時を
指したと同時に俺とばっちゃんは「お袋はもう帰ったんだろうな」って言った途端、台所にあった健康サンダ
ルが「カタカタカタカタ・・・」と上下に大きく揺れたのである。
周りには何も無かったので、ひとりでに動くはずもないのだが・・・。これにはさすがのばっちゃんもかなり
驚いていた。たぶんお袋だと思ったので、俺は健康サンダルに向かって(状況を知らない人が見たら、「コイ
ツおかしくなったのかな?」って思われるかもしれないが・・・)話しかけた。「お袋か?ええよ、ゆっくりしてい
き」って話しかけたのである。それから、お袋(?)はどのくらい家にいたのだろう?