【奇妙な話】山光り



初めて投稿します。Dと申します。
私は霊感とは無縁であると思っていますが、幾つか不思議な体験をしたのでお話しします。

あれは15年程前のことです。
当時、滋賀の大学院に行っており、京都から夜中に大学近くのマンションに帰る時のことでした。
ルートは、車で京都→途中越→湖岸道路→彦根です。
出発時間は夜中0時前後。天気は小雨でした。
そして八瀬、大原を通り過ぎる頃から異変を感じました。

山光りが居るのです。
九州でも一度見たことはあるのですが、それとは違い、途中の山の中を横に光りが走っているのです。
最初は何かの自然現象かなと思っていました。
でも、暫くして私の車に併走してきているような感覚になりました。
そこで心の中で「もし追っかけて来ているのなら10秒以内に光ってみろ」と念じるとどうでしょう。8〜10秒のタイミングで左手に見える山の中を光りが横殴りに走るのが見えてしまうのです。
こんなことが10数回続きました。
怖くなった私は、取り敢えず早く車を走らせる事に専念し(但し事故には最善の注意を払い)、無事(?)途中越えを果たし、琵琶湖大橋を超えました。

ここまで来れば山も遠いし、もう山光りにビビらされることもないわとも思いましたが、それでも湖岸道路は気味が悪いものです。
しかも雨足も少し強くなってきていました。

湖岸道路に入って10分ぐらい走った地点でまた異変に遭遇しました。
車内中央より少し後方の空間、私からすれば左後方、左耳から30か40センチ斜め後ろが突然発火したのです。ちょうどマッチを擦ってボッと火が点くような感覚です。ボッという音のような感覚のようなものも伝わってきました。
そしてそれが発火と同時に意志を持ったように車から抜け、シュンと湖岸の方(車からすれば左後方)に飛んで行き、砂地の上50センチぐらいで燃えているんです。運転しながら左後方を見たので一瞬ですが、燃えているものの光りは殆ど白でした。そして結構眩く輝いていました。

私は車を止める勇気も、もちろん引き返して湖岸に行くなんてとんでもなく、ただひたすら車を走らせることしかできませんでした。
そこから山光りが彦根に着くまで、再び別の山でも見たような、見てないような記憶は曖昧ですが、事故もなく無事にマンションには着くことができました。その頃には雨も止んでいました。

山光りと湖岸の発光物とは因果関係があったのか、なかったのか今でも分かりません。

またその後、山光りも発光物も見ていません。

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