【怖い話】風の夜
サボマンさんからの投稿。
先日の台風の巻き返しの風の夜、私達夫婦は寝室で休んでおりました。
妻が隣で静かな寝息をたて、しかし私は風の音に厄介な気配を感じ眠れずにいまし
た。
午前1時を少し過ぎた頃、嫌な気配が強くなり金縛り状態になりかけましたが、
金縛り回避の体勢をとり布団の上に正座し、来訪者を待ちました。
直後、身長10cm位の従者を30人程連ねた貴族の行列が私の前に現れ、
牛車の御簾の中から「お前は我々の大いなる障害なる。今夜から毎晩
ここに来てお前の寿命を縮めてくれる云々」と若い女性の声が聞こえます。
私は「これはいかん!」と枕元に置いてありました塩を手に取りますと、溶けていて
使い物になりません。
従者は全員私を睨むようにじりじりと迫ってきます。
お札、お守りの類は用意しておらず、100円ショップで「身代わりになってくれれ
ば」と
買い求めた数珠しかなく窮地に陥りました。
無理と承知で数珠を手に持ち、必死に気合を入れ「迷惑だから帰れ!」と
3回、腹の中で怒鳴りました。
少々のにらみ合いの後、熟睡していた妻が寝返りを打ち、妻の手が牛車を
叩いた瞬間に、解放されました。
次の晩からは枕元にお神酒と深井戸の水を湯飲みに少々と、塩を置いて入室をお断り
して寝るようにしています。
あの小さい人は何でしょう?それに私が障害とはどういう意味なのでしょう?