【怖い話】コラ!一人で逃げるな!

 みゅうみゅうさんのお話です。
 ネタの多い方ですね。(^◇^;

 随分前の話で、まだ、幽霊など見た事のなかった頃の話です。
”幽霊は夜しかでない”という私の常識を見事に打ち砕いてくれた経験です。

 東京で、2週間程の研修を受けた時、自由時間に友人(A子と呼びます。)と宴会グ
ッズの買出しの係になりました。
 A子は地元っ子だったので、道案内は任せていたのですが、帰りに近道をしようと言
う事で4時頃、明治神宮の中を通り抜けました。
 ぺちゃくちゃおしゃべりをしながら、のほほんと砂利道を歩いていたのですが、突然
A子が猛ダッシュで走り出したのです。
「え?何が起こったの?」と呆気にとられたのですが、何か嫌な気配を感じて、ふと前
方を見上げると、右前方の杉の木の地上15m.程のところに、”ポンッ”と男の顔だけ
が浮かんでいて、目があったのです。
 瞬間に頭の中に、その男に関する情報が直接流れ込んできます。
2 0才代、男性、外国人、この近くで野垂れ死に近い死に方をした、国に帰りたい・・
・etc.
”うわー、気持ち悪い!”
 私も、猛ダッシュで走りA子の後を追いました。
 無言でダッシュで走る二人の姿は、周りの人には異常に見えたでしょう。やっと、明
治神宮の敷地の外に出て、A子が走るのをやめたので、パニックを起こしていた私も、
走るのをやめて彼女に尋ねました。
私 : ”な、なに?今の?貴女も見たの?”
A子: ”私は、足音を聞いただけ・・・貴女見えたの?私は、聴覚と、触覚と気配で
    しか判らないの。見えないのよ〜。”
私 : ”どうして急に走ったのよ?!”
A子: ”足音が聞こえて、また来たー!って判ったからね。ああいうのに関わると、
    ロクなこと無いからね〜!逃げるが勝ち!”
私 : ”・・・・”(私には、自分達以外の足音など全く聞こえませんでした。)

 A子とは、その研修で初めて知り合ったので、私は知らなかったのです。彼女が小さ
い頃から、霊に足をひっぱられたり、話しかけられるのに慣れっこになっている人だと
は・・・
 私は、それまで霊の存在をそんなに信じていなかったのですが、二人同時に、幻聴と
幻覚に襲われる確率を考えると、霊の存在を信じざるを得なくなりました。
 霊感の強い人の近くにいると、影響を受けるという話は本当です。友人選びは大切で
すね。
 でも、一番怖いのは、さっさと友人を見捨てて逃げるA子です・・・。

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