■律儀な祖母
みゅうみゅうさんからの投稿
生まれたときからずっと同居していた祖母には、かわいがってもらい、私は本当に祖母
が大好きでした。
その、明治生まれの祖母が90歳を過ぎて、大往生する前後の体験です。
士族の出身らしく、いつも凛とした雰囲気をまとっていた祖母ですが、トシには勝てず、
老衰で寝込んでから、2ヶ月程経った時です。
医者からは、”心臓が強いので、どの位持ちこたえることが出来るか判らない”と宣告
されていました。
私は、ずっと、祖母の隣の部屋に暮らして、祖母の世話も喜んでしていたのですが、あ
る日、母と祖母をみていたときに、自分でも驚くような言葉が口をついて、出てきたので
す。
”おばあちゃん、もう魂ぬけてるわ・・・”
自分でも、その言葉に驚いてしまいましたが、本当にその時、そう感じたのです。
隣にいた、母は、愕然としていました。
それから、10日程して、祖母は亡くなりました。
祖母の魂が身体から抜け出して、何をしていたのかを知ったのは、葬儀の時でした。
葬儀の時、祖母の数十年来の友人の○○おばあちゃんが母に話してくれました。
”亡くなる一週間ほど前、おばあちゃん挨拶に来はったのよ・・・窓の外で、喪服を来て、
無言で深々と頭を下げはったわ・・・”
その○○おばあちゃんの部屋は、古い日本建築の2階の部屋で、当然窓の外に立つ場所
はありません。それで、”最後の挨拶に来はったんやな”と思ったそうです。
それから、しばらくして、他にも何人かの祖母の知人から、挨拶に来た話が他の知人
を通じて伝わって来ました。
祖母は、生前お世話になった方達に、お礼の挨拶をしてまわっていたようです・・・。
本当に、律儀だった祖母らしい行動です・・・。