【怖い話:お前はアホか】
サボマンさんからの投稿。
友人が同棲を機にアパートを借りる事になり、私に見て欲しいと打診してきました。
私は仕事とのかねあいもあり、中々行く事が出来ずにいましたら、同棲相手が急かし、
入居後に見るという状態になってしまいました。
新居(中古ですが)に伺うということもあり、私は若干奮発して清酒のいいのを買い向か
いました。着く前にまず、血溜まりの陽炎を見て嫌な感じを受け、「これは私が拒否られ
ているんだろうな」と感じ、彼の家に近づくにつれ障害がひどくなることで確信に変わっ
ていきました。
この障害についてはあまりにもグロテスクなので省略させて下さい。思い出したくもあ
りません。
彼の家に着くと、道に向かい各部屋の入口のドアが並んでいる作りなのですが、彼の部
屋以外は全戸入居者がいないのがわかりました。
ポストに投げ込まれたDMが風雨にさらされ茶色く変色していましたから。
完全に取り壊し前の廃墟のようでした。
彼には車やその他のローンがあり、確かに裕福な生活を送れる状態ではなかったにしろ、
こんなひどいアパートしか借りられない状態でも無かったはずです。何故ここなんだろう
という疑問はすぐに解けました。
同棲相手の女の子に強めのモノがついてました。あぁこいつがはらわれたくなくてここ
までの道のりに嫌がらせをしてたわけか・・・。
実際には違いました。
女の子の憑き物は私程度の力でもはらえる、ヤブ蚊みたいなマヤカシでした。
あまりにも強力すぎる悪意に「大きく見積もってもこのくらいだろう」という私の定規
にあてはまらず、見誤りました。
はっきりとピンチを感じたのは、日も暮れた夕餉の鍋を突いていた時、突然テレビのブ
ラウン管に亀裂が入り、地震のような家鳴りが始まり、件の女の子が白目を剥き私には乗
り掛かって襲って来た時でした。
友人は何が起きているのか理解出来ない様子で「オレの友達に何をしているんだ」と慌
てて二人をひきはなそうとしていました。
とにかく外に出ようとドアを開け、一歩踏み出すと足に伝わって来るのはコンクリート
の硬さではなく、足がめりこむようなやわらかさでした。
(ヤバイ、墓場の土の感触だ!)
部屋に戻る事に危険を感じ、友人と私で女の子を押さえ付けながら安全だと思える場所
までダッシュしました。
女の子に清めの塩をふり、正気に戻し詳しく話しを聞きました。
入居前に下見に来た時、二人共喧嘩モードだったそうで、早く部屋を決めない友人に彼
女がキレ、やってはいけない事をしてしまったようです。
それは・・・口寄屋のまね事。
適当な嘘をつき、訳のわからない呪文を唱え、先祖がここがいいと言っている的な事を
友人に吹き込んだようなのです。
その時点で先祖に 見離されこんなひどい霊障害のある物件を選ばされたようです。
更に見た目が悪いと、不動産屋が気持ち程度に貼ったお札は剥がし破き棄てる、備え付
けの鏡を割って新しい物に付け替える等の非道の極致をやり尽くしたようです。
アホとしか形容の仕方が見つかりませんでした。