【怖い話:箱庭療法】
ゆーやさんからの投稿。
はるか昔の昭和の頃のまだ私が若かった頃の話です。私はカウンセリングスクールに
入って2年目のなにも知らない初心者でした。
クラスメイトに箱庭療法をしているカウンセラーのところで月1回の勉強会があるよ
と誘われて何度かおじゃましました。
参加者の一人が製作し、それを解釈していくといったようなものでした。勉強会とい
うよりはサロンのような雰囲気でした。箱庭を作った者は、自分の箱庭の製作に立ち
会う、または内容を見せる相手を選ぶことができました。
ある回のことでした。友人が箱庭作りに立候補し、私だけを、立会人と見るものに指
名しました。
周囲もそれを了承し、私は友人の作る箱庭を見守ることになり、療法室に入りまし
た。
そのようなシチュエーションは人によってはときたまあることで、待っている人間は
別室で談笑して時間をすごします。
それはそれで楽しいものでした。
あの箱庭は、今まで見たことがないものでした。
箱庭の解釈は、おおざっぱにいうと、左半分が内面を、右半分は外面を、手前から上
に向かって現在から未来へと向かっていきます。
それは、十字架が立ち並ぶ暗い風景でした。左手前に穴があき、そこに向かって落ち
込むようかしいでいる十字架。
そして、、まさに落ちそうなところに、赤い大きいビー球がおいてありました。
そのビー球をさして友人はいいました。
「これが、私なの。」
私はなにも言えませんでした。
部屋からでると、待っていた中の一人に、「私、霊感あるんだけど、なにか来てた
ね。」と言われました。
さもありなんと、私は思いました。
(その後、月日が経ってからのことですが、本人からあれを作れて良かったとは言わ
れましたが、私はいまだにそれに同意できないでいます。)
友人は、それからまもなく入院しました。入退院をくりかえしましたが良くなりませ
んでした。
もうすぐ、クリスマスです。私はこの時期、いつも彼女のことを思い出すのです。
P.S.友人は綺麗な人でした。