【怖い話:遊びで呼ぶから・・・】


 みゅうみゅうさんの投稿。

 この話は、同じ中学・高校に通った友人の若かりし頃の体験談です。

 英語の得意な彼女は、大手商社に就職したのですが、久しぶりに会った時、
”最近、夜、電気を消して眠れないのよ・・・”
とぼやくのでその理由を訊ねました。

 すると、1ヶ月程前に、同期入社の仲間で旅行した時の話をしてくれました。
 メンバーの中に、女優バリの美人で、”霊感が強い”なんてものを通り越して、本物の”霊能者”がいたのです。社内
でも、その美貌と相乗効果で、相当評判になっていたそうです。
また、当時は霊能者がテレビでもてはやされ、色々特集番組が組まれていた時期だったので、皆、興味深々でした。

 そこで、夜になって、テーブルを囲んで皆でワイワイ騒いでいるときに、皆で彼女に、

”霊を呼ぶことできるんでしょ〜!呼んでみてよ〜!”
と、相当シツコク頼んだそうです。
 最初は、断り続けていた彼女も、あまりのシツコサに根負けしたのか、
”わかった!やるわよ!でも、危ないから、私から離れないでね!”
と嫌そ〜に言って、霊を呼ぶことになり、皆が彼女のまわりに集まって座りました。
彼女が招霊を始め、
”来たわよ!”
と言った時です。
 突然、窓際に置かれていた花瓶が誰もさわっていないし、まわりに誰もいないのに、”バターッ”と音を立てて倒れ
ました。そして、窓にかかったカーテンが窓もドアとしまっているのに、パタパタと音をたてて揺れて、その場にいた皆
が、パニックに陥りました。
”騒がないで!私の周りから離れないで!”
と言うと、彼女は、霊を必死に帰しました。(なんでも、低級なおきつねさまが来ちゃったそうです。)

”遊びで霊を呼ぶと、低級霊しか来ないのよ・・・危ないんだから・・・”
 彼女の言葉を聞いて、その場にいた人達は、二度とその様なお願いはしなくなったそうです。
 私の友人は、それまで、霊など信じない人だったのに、あまりの怯えように私はあきれてしまいました。
”夜に一人で部屋にいると、幽霊がでないかと、怖くて怖くて・・・”

 ”そりゃ、そんなバカな事したら、怖い思いしても仕方ないわよ・・・”という本音は、友人には言いませんでした。

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