【怖い話:霊能力の使い方】

 同じくみゅうみゅうさんの投稿

 この話は、私が今まで話を聞いた人の中で、一番迫力のあるあちら系の話を提供してく
れた人物です。私も、”予知能力”などが現実にあるとは、彼女の話を聞くまでは信じて
いませんでした。

  彼女(かなり美人です。関係ないけど・・・)は、小さい頃から不思議な体験は数知
れず、予知能力もあったので、大学生の時、占いの館でのバイトに誘われました。学生の
バイトにしては、時給も良かったんです。プロの霊能者になどなるつもりもないし、少し
悩んだのですが、
”バイトだし・・・、せっかくの能力だし、引き受けちゃえ〜!”
と、遊び盛りでおこずかいも欲しい年頃だったこともあり、彼女はそのバイトを引き受け
ました。

 それから、何日かしてキタ(大阪の繁華街)を歩いていて、知らない上品なおばさんに、
いきなり声を掛けられました。
”あなた、○○さんね・・・。すごい霊能力をもっている人がいると聞いていたわ。でも
ね、あなた、その霊能力でお金を稼ごうとしたら、絶対駄目よ。”
と言うと、唖然としている彼女に名前も名乗らず、人ごみに消えしまいました。

『あれは、何だったのだろう?』と不思議には、思っていたのですが、忘れて彼女は日々
を過ごしていました。

 そして、初めて”占いの館”のバイト代を受け取った帰り道です。梅田の大きな陸橋(大
阪の人なら御存知の有名な人通りの多い陸橋です。)を下りているときに、突然背中をぐ
いっと押されて、階段を転げ落ちました。後ろを歩いていた、2、3人のサラリーマンが
”大丈夫ですか?”とすぐに助け起こしてくれましたが、
”誰かに背中を押されたの!”と言っても、すぐ後ろには、”誰もいなかった”と口を揃
えて答えたそうです。
 彼女のケガは、軽い足の捻挫ですんだそうですが、占いのバイトは、すぐにやめました。

 その霊能力で嫌な思いもしたりするのに、その能力でお金を稼ごうとすると、怪我させ
られるなんて・・・。
 一体ナニモノが、彼女の背中を押したのでしょうか?
 なんだかやりきれないですよね。彼女に同情してしまいます。

怖い話Index