【怖い話】ワーカホリックな日本人

 みゅうみゅうさんからの投稿。
 
 この話は、以前働いていた職場での体験です。

 その職場は、相当長い歴史のあるかなり規模の大きい工場の中にありました。
 そばを通ると寒く感じる場所は、過去に化学溶液のタンクに作業員が落ちて亡くなった
ため、タンクは撤去され、資材置き場になっているものだったり、ある作業ラインでは、
失恋して自殺したオペレーター(そのラインの担当で、はた迷惑なことに、職場でわざわ
ざ自殺した。)の男性の姿がよく目撃されたりと、そこそこ!?幽霊話のある職場でした。

 そんな工場の一角の事務所で働き出してすぐに、ある”気配”に気づきました。
 姿を見る事はありませんでしたが、デスクの間を歩き回って、机の上の書類を覗き込ん
だり、他の社員と同じように動き回っていて、後ろを通ると風を感じていました。
 別に何か悪さをするわけでもなかったのですが、後ろに風を感じて、誰か現場から帰っ
て来たのかと振り向くと誰もいない、というようなことが毎日のように続くと、やはり良
い気分がしません。それでも、何週間かそのままでした。
 そんなある日、席替えがあり、皆のデスクの引出しの整理をしていると、昔の社内旅行
の写真が出てきたので、わいわいと面白がって見ていました。その写真の中に
”あ、うろうろしているのはこの人だ!”
と、ピンと来る顔がありました。
 ベテランの社員の方にその人について尋ねると、数年前に癌で亡くなった方でした。と
てもまじめな方で、仕事大好き人間だったそうです。
(うーん、死んだ後も、仕事に未練があるのか・・・、いくら定年まで働けなかったとし
ても、そこまでして職場に来なくても良いのに・・・・。)

 この時期は、交通事故の怪我のリハビリの真っ最中で、まだ、片足を引きずって歩いて
いたので、イザと言うとき走って逃げる事ができなかったこともあり、怖くなってきてい
ました。  
 職場では、出来るだけ”霊関係”の話はしないようにしているのですが、仕方なく、飲
み会でこそっと、上司に
”○○さんが、事務所によく来られています。お祓いしていただけませんか?”
と相談すると、すぐに課長・部長と揃って神社に行き、お札を頂いて来てくれました。あ
まりにすんなり話が通ったところをみると、他にも同様の体験をした人がいたのでは無い
でしょうか?
 早速、事務所の壁にその御札を貼ると、それから”彼の気配”を感じることはありませ
んでした。
 ”御札の効果って、あるんだ〜!”と初めて実感した体験です。

 違う職場でも、お盆の時期に、書庫で首だけ見えたおじさんと目が合ったこともありま
したが、その人相をベテランの先輩に話すと、これまた数年前に病気で亡くなられた同じ
フロアーで働く社員だったようです。
(わざわざお盆に寄り道したくなるほど、そんなに職場が好きだったの〜?)

 本当に日本人はワーカホリックですよね。アメリカ人とかなら、死んだ後まで職場に顔
を出さないと思いませんか?

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