【不思議な話】井戸とおまじない
同じくみゅうみゅうさんからの投稿。
この話は、母から聞いたものです。古き良き時代のお話です。
母が子供の頃、水道ももちろん整備されていましたが、家のすぐ近くにある結構大きな
井戸は、ご近所の数軒が共同で使用していて、まだまだ生活用水として活躍していました。
ちゃんと、年に一回は”井戸さらい”の人に来てもらい、ちゃんと内側の掃除をして、
井戸の底の石を一旦外に出してその汚れを綺麗に落としてから元に戻して、大切に使って
いた時代です。
そんなある日、母がメバチコ(モノモライのこと)ができて、かなり目が腫れ上がって
困っていると、それを聞きつけた、ご近所の”おまじない”などに詳しいおばあちゃんが
”おしゃもじ”を持って母の所に来たそうです。(当時はご近所は助け合って暮らしてい
ましたもの。)
そして、井戸の横へ連れて行かれ、”おしゃもじ”でメバチコをなでる(実際に触れる
わけではなく)動作をして、短い呪文を唱えながら、井戸のなかへ、そのメバチコを落と
す動作をしたそうです。
”はい、終わり!井戸の神様にメバチコを引き取って貰ったよ!”とニコニコ笑ってその
おばあちゃんは帰って行きました。
”本当に、こんなの効くのかな〜?”と子供心に思ったそうです。
でも、一晩眠って、朝起きて見ると、ウソのように腫れが引いていたそうです。そして、
あっという間にメバチコは治りました。
母の友人達もメバチコで困るとお世話になったそうです。
残念なことに、その呪文を母は覚えていません。
”誰かあの呪文知らないかしら?あれは、本当に効いたわよ!”
とぼやくのを私は何度も聞かされましたが、出来るものなら私も知りたいです。