【不思議な話:巫女寄せ】
またまた、みゅみゅうさんからの投稿。
この話は、母が子供の頃、家族ぐるみで仲良くしていた花子おばさん(仮名)から聞
いた話です。
花子おばさんの実家では、お稲荷さまを祀っていました。ときどきは、ちゃんとお祭
りをしていたそうです。
それである日、まだ花子おばさんは子供だったのですが、神官に来て頂いてお祭りを
したときに、巫女寄せをしました。
皆が固唾をのんで見守る中、巫女さんが、神がかりの状態になりました。
すると、すっと立ち上がり喋り始めました。
口を三角形にとがらせて話し、体を蛇のようにくねくねとさせていたそうです。
「わしが、この近くを通りかかったら、金の御幣がこの家の上に立っているのが見え
たので、一言祝いを言わせて貰おうと立ち寄ったら、そこでこやつに小便をかけられ
た!」
と怒って叫ぶと、近くにいた次郎少年(花子おばさんの弟・仮名)をびしっと指差し
たそうです。
周りの大人が慌てて次郎少年に尋ねると、確かに先刻、便所に行くのが面倒で、大人
の目を盗んで庭の生垣の隅で立ち小便をしたそうです。
なんでも、そういうお祭りをすると、その家の上に金の御幣が立ち、他の神様への目
印になっているのだそうです。
もちろん次郎少年は、こっぴどく叱られて、平謝りさせられました。
花子おばさんは、普段から軽口などもたたかず、静かな女性だったそうですが、
”あれは、本当に面白かった。あれなら、もう一度見たいわ〜”
と、楽しそうに母に話してくれたそうです。