【怖い話二題】
JFさんからの投稿。
自分の体験ではなくて申し訳ないのですが、職場で目の前に座っている同僚から直接
聞いた話です。
この同僚(といっても還暦を過ぎ、一度退職されてから引き続きお勤めになられてい
る大先輩です)、
「見る」方でして、時折、笑いを交えながら、恐ろしい話を色々聞かせてくれます。
たくさんあるのですが、その時の場面を想像して特に怖かった話を2題ほど。
その1.会社の寮にて
勤め先は地元では比較的大きな会社で、社員のための寮を6つほど持っておりまし
た。その内の一つ、
札幌市内の比較的中心部に近い場所にあった寮の話です(現在は他所に売却。良いの
かなぁ)。
繁華街から徒歩圏内ということで、利便性から入居者も多かったのですが、とにかく
ひどかったそう
です。何だかイギリスあたりの由緒正しい?ゴーストハウスの感がします。
何しろ入居者全員、誰かれ構わず例外なく何らかの怪異に遭ったそうで、当時寮長
だった若かりし頃
の同僚は、朝なかなか起きて来ない後輩の部屋に行くと、布団の中で固まって動けな
いでいる、とい
うことが良くあったそうです。
理由は、「眼が覚めると、目の前スレスレに女が数名、並んで顔だけ浮いていた」と
か・・・
あるいは渡り廊下を自室に向かって歩いていると、白い着物を着た老齢の男性がトイ
レから出てきた
かと思うと、そのままスタスタその自室のドアにスッと消えて行ったとか・・・
どう見てもこの世の方としか思えないそうで、最初は何が起こったのか分からなかっ
たそうです。
この寮は上から見るとロの字型で中庭があり、その昔は病院もしくは療養所だったと
いう噂がありま
した。男女様々な霊が活躍したそうですが、総じて着物や浴衣姿のちょいと前の時代
の方が多かった
そうです。
入居者の部屋、渡り廊下、食堂、トイレ、広間と、場所を選ばなかったようですが、
ここでは広間で
起きたお話を。
ある日、同僚は広間に布団を敷いてひとりで寝ることになったそうです。夜半に金縛
りに遭ってしま
い、目玉だけ動かしてキョロキョロしていると、ふと部屋の隅に重ねて置かれた座布
団に眼が留まり
ました。
重ねた座布団の上に若い女性がチョコンと正座して背中を向けており、手を頭の方に
持っていって一心
に何かしていたそうです。紺地に鮮やかな大きい花柄の浴衣、そして赤い帯姿が鮮明
に見えたとの由。
特に怖いとは思わず、じっと観察していましたが、そのうち女性が何をしているか、
理解しました。
女性は竹製らしき半円形の櫛で、髪を梳っていたのでした。少し長めの黒髪だったそ
うです。。。
シュッ、シュッ、と女性が梳りながら、だんだん体の向きを変え始めるのをボーっと
見ていましたが、
そのうち急に。。。。その意図を理解して、全身鳥肌となりました。
女性は明らかにこちらに向き直ろうとしていました。もう。。眼を閉じ、無視を決め
込んだそうです。
あまりにも入居者の苦情が多く、本社の総務部でお祓いを頼みました。詳細は知りま
せんが、なんでも
仏壇に霊を封じ込めて?本社へ持ってきたそうです。実際その仏壇は、本社勤務の少
し古い社員に聞く
と本当に見た人が多く、事実無根ではないと思いますが。。。そんな御払いの方法っ
てあるんですか??
これには後日談(仏壇の封印を剥がして開いてしまった!)があり、今も本社ビルに
は霊の噂が絶えま
せん。またの機会がありましたら、私自身の実体験含め投稿します。。。
その2.Y市からI市へ向かう国道にて
これも同僚の話です。別に伏せる必要も無いとは思うのですが。。。Y市とは炭鉱で
栄えた町で、もちろ
ん今は往時の面影はありません。鉱山というところには出水事故のおりなど、言葉で
言い表せないよう
な、さまざまな悲惨な事例があったりとか。。。あるいは、北海道という土地柄、道
路一つ取っても難所
と呼ばれるような所には必ず「強制的に労役せしめられた」方々を祀るための、国道
脇にその気で見て
いないと絶対に気づかないような小さな祠が、所々に点在していたりします。
ご紹介するのは、そんな山中の国道での出来事です。
勤め先には現在でもY市に営業所があり、そこに勤務していた若かりしころの同僚
が、仕事帰りの深夜、
自宅のあるI市に向け山道に車を走らせていました。
ちょうど峠も下りに差し掛かったあるカーブで、同僚は祠のことをぼんやり考えなが
ら運転していまし
た所。。。。横から唐突に、何か小さな生物が飛び出してきました。猫か狸か、丁度
そんな大きさだった
そうですが、急ブレーキは掛けたが本人は「轢いたっ」と思ったそうです。そんな感
触でした。
あわてて車を止め、降りて確認するもそんな形跡は一切無し。狐に(猫・狸?)ツマ
まれた感じで運転を
再開しましたが、その内妙なことが起こり始めました。
バックミラーに、なにやら赤くチカチカ点滅する光が映ることに気が付き、眼をやる
と後部座席の真ん中、
ヘッドレスト付近に、赤い光の塊が浮かんでおり、だんだん大きくなってくる。
丁度真っ赤に灼けた鉄のように見えたそうですが、益々大きくなってきて、あれよあ
れよという間に瓢箪
のような形となり。。。。。。
そしてドロッと垂れ下がったかと思うと、後部座席に座る形で、段々「人」になり始
めたそうです。
同僚は「アー・・」と思い。。。何とバックミラーの角度を少しずらし、視界に入ら
ないようにしました。
無視を決め込んだそうです。
こちらは特に後日談は無いのですが。。。こんな対応で何事もないものでしょうか
ネ????
同僚はピンピンしており、釣り好きな元気なお爺さんです。まだ楽しい(?)話があ
りますが、又の機会
にご紹介させていただければと思います。