【サプライズ3本立て】

 kiyotoさんからの投稿。
 霊は出て来ませんが、ある意味怖い話です。

今回は一連の出来事で起きた、サプライズ3本立てをお送りします。

H16/10/22、私は同僚と共に地元新潟の隣県、富山へ日帰りの出張に出ていました。
仕事も夕闇となる頃には無事終わり、帰社して残務処理すれば翌日は楽しい休日
です。
東京に遊びに行く予定もたてており、全てが順調なら翌日夕方には北陸自動車道を
関東へ向けて移動する予定となっていました。

走り屋っぽい車をペースメーカーにしながら順調に移動を続けていましたが、
県境を越えて新潟に入る頃には急激に体調悪化、悪寒と頭痛に悩まされ運転でき
ません。
車に乗っている事すら苦痛になり、最寄のSAに突っ込んで休憩と相成りました。

同僚に詫びつつも30分ほど身を休めると気分も良くなり、SAを出ると妙に渋滞
が・・・
交通情報を確認するとこの先で事故渋滞との事です。
最初はすぐに抜けるだろう、と高を括ったまま渋滞が経過する事2時間、おかげ
で翌日には
再出社し残務処理せねばならぬ事が確定し、東京に行く予定も全て崩れてしまい
ました。

文句を垂れながら事故現場を通りかかると、そこには見た事のある車がフロント
大破・・・
前部座席全てがひしゃげたその車両は先ほどまでペースメーカーにしていた車で
した。
しかもそれに追突しているのが、SAに入るまで並走してた車というおまけ付き!
その場は同僚と事故を回避したラッキーを祝いつつ、帰宅となりました。

翌23日、残務処理に駆り出され帰宅するとPM5時、とてもこれから東京に行く気
にはなれません。
同居してる妹に仮眠する旨を伝え、私は布団にもぐりこみました。
当時は部屋の一面に大きな本棚を設置しており、蔵書数は大小合わせて400冊ほど、
満載の本棚に足を向ける形で寝入っておりました。

そして H16/10/23 PM5:56 、中越地震が発生します。

初期微動 </wiki/%E5%88%9D%E6%9C%9F%E5%BE%AE%E5%8B%95>のP 波を体が感じた
のでしょうか、唐突に目が覚めて体を起こした時にS波が到達、
マンション10Fにある自室は大きく揺れ動きました。

走馬灯の様に妙にゆっくりとした時間の中、足元から覆いかぶさる様に倒れてく
る本棚に対し、
脇に手を掛け撥ね流す要領で体をずらす自分をどこか人事の様に見ている私がい
ます。
枕元に置いていた時計が潰されひしゃげるのを、ギリギリ体をかわした状態で眺
めながら、
初めて地震が起きた事を実感しました。


移動中に具合が悪くならなければ、事故で大渋滞し東京に行く予定が崩れなければ、
そして地震の直前に目が覚めなければ、私は何らかの怪我を負っていたか、もっ
とひどい事になっていたかも。

今にして思えば宝くじを買っておけばよかったかも知れません(笑)


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