【怖い話:火の玉】

 hideさんからの投稿。

 母から聞いた話です。
 昔、母の母つまり私の祖母が子供だったときのこと。時は昭和の始め頃でしょ
うか、祖母の家の近所に「三角墓場」と呼ばれる墓地がありました。その辺りは
今でこそ区画整理が進み、整然とした道や小綺麗な住宅が軒を連ねる場所ですが
、つい最近、私自身が子供の頃まで結構な田舎でした。もちろん祖母が子供の頃
には街灯なんてものもなかったことでしょう。
 その三角墓場である日祖母は妹と遊んでいたのだそうです。辺りは夕日が差し
、そろそろ帰らなければならない時間でした。と、その時、二人のいるど真ん中
に一抱えもあるかと思うほどの火の玉がドーンとものすごい勢いで落ちてきたそ
うです。何がなんだかわからず、祖母は飛び上がって逃げ出し、その後を妹が泣
きながら追いかけてきたそうです。「今思い出してもあれは何だったか分からな
い。」と祖母はよく語っていたそうです。その祖母も私が幼いときに鬼籍に入り
、随分経ちます。私は祖母から直接その話を聞いたことがないので、直接聞いて
みたかったなぁと思います。怖いと言うより不思議な話なのですが、私にとって
は幼いときに亡くなった祖母を思い出すエピソードです。

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