【怖い話】あちら側からの電話
昨年、11月29日(土)の19:30頃の出来事です。
会社で私のデスクの前の電話が鳴りました。
私の課の電話は、1番機〜3番機まであるのですが、外線から電話がかかって来るとまず1番機が鳴ります。
で、1番機が使用中の場合は、2番機→3番機へと回線が繋がるようになっています。
私のデスクの上の電話は2番機。
1番機が未使用なら普通こちらが先に繋がる事はありえません。
ですが、その時は不思議に思わなかったのですが、1番機が鳴らずに2番機に着信がありました。
いつもの様にお決まりの電話対応の文句。
すー・「お電話ありがとうございます。〜」
お客様・「あのーっ、すみません。(すごく低姿勢な口調でした。)
こんな事、こちらに聞いていいのかわからないんですが・・・聞いても
いいでしょうか?」
受話器の向こうの声は初老のご婦人の声でした。
すー・「どの様なご用件でしょうか?」
お客様・「ミナミにある○○座の電話番号が知りたいのですが・・・」
すー・「申し訳御座いません。電話番号は当支店では解りかねます。
NTTの104電話番号案内でお尋ね願えないでしょうか?」
と、ここまでお話しするとご婦人は急に狂ったように口調が荒くなり、
お客様・「キィーーーーーッ!!
あんたんとこ、家の住所まで知ってるくせして、何で○○座の電話番号
くらい知らんのよーーーーーーっ!!
電話賃、勿体無いわっ!!
すぐ、調べてかけなおしてっ!!」
ここで、ガッチャーンと一方的に電話を切られてしまいました。
ア然とする私。
ツー、ツー、と音のする受話器を片手に、一人ブツブツ・・・
すー・「個人宅の住所なんか知らんちゅーねん。」
などと呟きながら、ふと、思い返し、
『あれっ?そー言えば、かけ直せってゆうてはってけど、自分ちの電話番号ゆうてはれへ
んかったなぁ・・・』
と、気づきました。
そう、このご婦人はご自分の連絡先電話番号を仰って下さらなかったのです。
うちの会社の電話機は古いタイプの電話機で、体裁だけはプッシュホンですが最低の機能
しか付いていません。
今時、アナログ回線だし、ナンバーディスプレイなんて、とても、とても(>_<)
よく、お客様から
「家の電話番号、そっちの電話機に表示されてるやろ?」
なーんて仰いますが、出ていません(T_T)
でも、この手のお客様は電話をかけ直さなければかけてこなかったと後でクレームの電話
をしてきはります。
自分が理不尽な事をしているのはお構いなしなんで手に負えません・・・orz
そこで、ふと、頭をよぎったのが、以前、暇つぶしに読んでいた会社の電話機の取扱説明
書に記載されていた「特殊ボタン」の事を思い出しました。
そっこーでリダイヤル。
先ほど電話を切られてから5秒と経ってはいません。
すると、受話器の向こうから聞こえてきたのは無機質な皆様もよくご存知の例のアナウン
スが流れます・・・
「お客様のおかけになった番号は現在使われておりません。」
のエンドレス。
はぁーっ!?何でやねん?今、切ったとこやんか?
と、思いつつ二度、三度。かけなおしてもこのアナウンスが流れるばかり。
取扱説明書の違う所を見ちゃってたのかなー?? と考え直しデスクの引き出しからもう一
度取扱説明書を引っ張り出して見るも、おかしい? やっぱり使用方法を間違えてはいな
い!
合ってる!!
なーんか、狐に包まれたような気持ちで1番機の前のデスクに座っていた先輩に
すー・「せんぱーい、聞いて下さいよ、今、かくかくしかじかな電話があったんで
すよ〜っ(笑)」
と、何気なく話すと、
先輩・「そう言えばこっちの電話、先に鳴らなかったねぇ。変やねぇ??
そらそうと、すーちゃん。ミナミの○○座ってもう潰れて無かったん
ちゃうの?」
と言われ、はたと考えれば確かにミナミの○○座は閉鎖したはず!?
じゃあ、どこの誰が今はもう閉ざされた演舞場に電話したかったんだろ?
しかも、現在使用されていない電話番号から?
その夜、先輩と二人、薄気味悪い思いで夜勤勤務をこなしました。
ねっ、誰かそれは気のせいだよ(^^)只のイタズラ電話だったんだよ。と、言って下さい
結局、あんなに怒っておられたご婦人から再度、電話がかかる事はありませんでした。
でもね、私の曖昧な記憶なんですがミナミの○○座は電気配線の漏電が原因で火災炎上し
たんじゃなかったっけか??
まだ、建物自体は残ってるのかもしんないけど、内部は燃えちゃったはずでは・・・??
確か、この演舞場が火災に見舞われた同じ年にやはりミナミの法○寺横丁も火災があった
ような気がするんですが・・・?
今も昔もミナミは繁華街という事もあり、火災が多いですよね。
旧・千日デパート跡なんて、私は怖くてよう行きません。
ミナミに遊びに行こうと思っているなら気を付けて下さいね。
貴方の電話にこんな不可解な着信がありませんように・・・
※すーさんは見える人です。はっきりと見える人です。そう言う人には、こういう話はつ
きものなんです。すーさん、お気の毒様。(-人-)