【怖い話】足跡

 仙鬼さんからの投稿。

あれは2年前、富田林市の整骨院で雇われ院長をしてた時のこと。

スタッフの大学生から相談を受けた。

「二上山に行った夜から変なんです…。」

聞けば、友人が二上山に夜景を見に行こうと提案し、軽い気持ちで誘いに乗った
。夕方から車に乗り、二上山へ向かう。
行ったものの、途中で車が通れない道になってしまった。

友人は行ったことがあるのかと思えば全く無く、勢いだけできたらしい。

「帰りたい。」と思ったが格好悪くて言えず、そのまま山道を歩く。

まだ日の光はあったのでなんとか見晴らしの良い場所に着いた。

しばらく煙草を吸いながら夜景を見ていたのだが、そこは男2人。ロマンチック
も何もなく帰ることにした。

間抜けな事に懐中電灯を用意してない。仕方ないので、携帯のわずかなライトを
頼りに山道を下った。

途中、歩く自分達の横を等間隔で歩く気配が…。

怖さを拭う為に大声をだしながら急いで車まで戻り、慌てて帰路についた。

その夜、寝ようとすると部屋の中に何者かの気配が…。

気のせいだと呟きながら布団を被ると、壁のクロスとビニールがこすれるような
音がする。

その音は移動し、部屋の中をぐるぐる回り続ける。

それは明け方まで続いた…。


彼からの訴えはこういう内容だった。

「どうしたらいいでしょう…?」

そんなとこ行くからやと半ば呆れながら、部屋の中を隅から隅まで綺麗に掃除す
ればいいよと答えた。 彼は半信半疑。
もっと儀式的なものを期待してたのか拍子抜けした表情だった。

次の日聞くと、まだ音がする。掃除は?と聞けばしてないとのこと。

昨夜は前以上に音が大きくハッキリ聞こえて、一睡も出来なかったそうだ。
今日は掃除しますと青冷めた顔で言った。

その後聞けば、掃除をしてから音は止んだそうだ。

そして、一つの窓の下だけ水をこぼしたように濡れていた。何だろうと窓に寄る
と、窓枠辺りが掃除し忘れて埃が溜まっていた。

そして…埃の上には人の足跡が…。

その足跡は外に向かってついていた。

まるで外へ逃げるかのように…。

※関西圏の方はご存知でしょうが夜の二上山は怖いです。(私は行きません)
※掃除に整理整頓は、雑霊祓いの初歩です。仙鬼さん、なんで知ってるの?

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