【怖い話】サンダル

 KIMさんからの投稿。


またまたひとつ。思い出したことです。今回は怖くない話ですが。
数年前に他界した父方の祖父母の話です。

祖父母は私たちが生まれる前から父母と半同居しておりまして
「KIMさんちには、良い婿さんが来た」と言われるほどでした。
(つまりは、嫁ではなく娘だと思われたみたいで)
実際、孫の私から見ても祖父も祖母も母のことを大切にしていましたし、
結構なかわいがりようだったことを覚えています。
そんな祖父も年には勝てず、他界した後のことです。

ある晩、母が寝ていると、祖父が夢に出てきてこういうんだそうです。
『J子さん、J子さん。足が痛いんだけど…』
「じぃちゃん?お出かけ用の皮靴、もたせたっしょ?」
母は、お棺に入れた革靴のことを思い出しながら言ったそうで。
すると祖父は、「それじゃない」と。
『いっつもはいてるサンダルじゃないと足が痛くて歩けないよ』
悲しげな顔でそう言って、消えていったらしく。
母は起きてすぐ祖母に夢のことを伝えて、お墓にサンダルを持って行きました。
それから祖父は夢には出てこないと言っていましたが、
亡くなってからも愛用のサンダルがいいんですねぇ。

それからまた数年後、祖母も年には勝てず、他界した時の話。
祖父の時のサンダルが頭にあったのでサンダルと愛用の品は忘れずに入れたので
すが。
またまた夢を見る母。夢の中の祖母はしかめっ面をして言ったそうです。
『J子さん、本見ようと思ったらメガネがないんだけども(汗』
サンダルは入れ忘れなかったものの、どうやら老眼鏡を持たせ忘れたようで…。
祖母愛用の老眼鏡を持ってお墓に走った母と私でした。

ちなみに、実の息子である父のところには一度も現れなかった…らしいです。


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