【怖い話】 狛犬体質
くまととろさんのお話
父方の祖母は非常に珍しい苗字をしていた人で、とある神社の巫女をしていたと聞いて
います。
何度聞いても覚えられないという不思議な思いを何度かしたのですが、昨夏に思い立ち、
父親に尋ね、その晩ネットで珍しい苗字を集めたサイトを見たのですが、その漢字と音が
一致する苗字はありませんでした。
仄聞するところでは、今では東北地方の某所に数軒、遠縁にあたる方が住んでいらっしゃ
るそうです。
祖母はかなりの力を持っていたらしく、父には色々と手ほどきをしたようで、今だに私が
何か危険なものを呼び込んでしまった際や、かつての住居近郊にあった、寒くもないのに
鳥肌の立つ川沿いの公園が、いつになく激しい鳥肌が立った晩などには、玄関に仁王立ち
をしてそういったものを遠ざけてくれています。
一番強烈に印象に残っているのは、妙に寝苦しい夜のことでした。「まだ起きてるか?」
と声をかけられ、うんと答えたところ、「絶対に目を開けるなよ。」といつになく厳しい
口調で言い付けられました。
それから三十分ほども過ぎた頃でしたでしょうか。毛布2枚に厚手の布団まで被っている
という完全防寒にも関わらず、身体の芯が凍てついたような寒気と猛烈な鳥肌に襲われま
した。ひたすら目を瞑り、通り過ぎるのを待っていたので、今だにその時そこを通ったも
のが何だったのかはわかりません。
その父が漏らした言葉ですが、私は闇夜の灯台に似た存在だとのことです。そのせいでよ
く何かを引き連れて帰宅することが多いそうです(笑
力はあるのかも知れませんが、それを御する術を全く知りません。
これについては祖母が何かしたのでは?と正直考えています。
幼少の頃は当時の借家の庭で白蛇さんをお見かけしたこと、母方の祖父の葬儀ではお坊さ
んにうちの寺に預けないか?などという話もあったとのことですので。自覚はありません
が、何がしかの素養はあったのかも知れません。
ところが、物心ついて初めて父方の祖父母を尋ねた時(5歳だったとのことです)以来、
鳥肌センサーは働くものの、見えも聞こえもしなくなってしまいました。
先だって某コミュのオフに参加した際、妙に惹きつけられるような(男女間のという意味
ではないです)女性の方が、「大変な人生を送ってきたんだね。」と言われました・・・。
4歳の頃に灯油を被り、あわや大惨事になりかけたこと。20歳の頃に交通事故に遇い、
あわや死に掛けたこと。一昨年亡くなった祖母の外見的特徴や名前を見事に言い当て「あ
なたを包むようにすっぽりと守っていらっしゃる」と言われたこと。その日初めてお会い
したにも関わらず、なるべく外見には見せないよう、しかし決して破らぬように心がけて
いる精神的なことまで全て言い当てられたこと・・・。
悉く言い当てられ、そして「あなたの本質は狛犬なの」との謎の言葉を頂きました。
狛犬であるからには、仕えるべき神がいらっしゃるはずですが、不幸にして?そのような
機縁には恵まれていません。
いつかは仕えるような方に巡り合うことができるのでしょうか・・・?
なんだかこれではさっぱり怖い話にはなりませんね( ̄― ̄;
★もう何をか云わんやですね。逸な人は大変です。お婆さんは物部系ですね? 水晶玉が
残っていませんか?