【怖い話】枕元の黒い影

 りうしんさんからの投稿。

 叔母の親友が入院して、お見舞いに行きました。
 自分も、小さい頃からとてもお世話になった方です。
 叔母は足しげく見舞いに通ってましたが、自分はなかなか都合が合わず、その土曜日に
やっとお見舞いに行くことが出来ました。
 自分はおばさんの病名も病状も聞かされてませんでした。

 病室に入ると、おばさんの寝ているベッドの右横に叔母は座りました。
 自分はその後ろに立ちました。

 おばさんの頭の上の壁に、影が映っていました。

 人型のような、人型じゃないような、黒い影。
 立っている自分の影じゃないことは明らかで、叔母の影でもない。
 六人部屋で、おばさんのご家族の方やらもいたけれど、光が当たる方向とは違う感じで、
黒い影があった。
 嫌な感じがして、じっと睨んでた。
 ベッドの上でおばさんが、
「帰って、早く帰って」
 と何度も繰り返していた。

 帰りの車の中で「お前が怖い顔してるから」と叔母に怒られた。


 あれから、2日後。
 次の週の月曜日に、おばさんは亡くなりました。
 まだ40代前半でしたが、乳がんで、発見した時にはもう他に転移していたそうです。
 もうダメだ、とは聞かされていたけれど、こんなに早い別れになるとは叔母も思ってい
なかったそうです。
 自分はなんとなく、覚悟してました。

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