【怖い話】最後のお散歩

 KIMさんからの投稿です。

あれは2年半前。父が亡くなった時のこと。
夕方、弔問客のおもてなしをしていた時にあったことです。
午前中からほぼ休むことなくお外で犬は吠えていたんですが、
私たちは、かまってあげることも何もする暇もなく、
時折、近所のおじさんが様子を見ていてくれたようでした。

夕方になり、父の友人(少々霊感あり)が弔問に来た時のこと。
それまで、ぎゃんぎゃん吠えていた犬がぴたりと静かになったのです。
「犬まで死んだんじゃないんだろうか(汗」と小屋をのぞいても、
小屋の中で、ぐーすか気持ちよさそうに眠っています。
と、父の友人が一言。
「さっき、アタシが来たときにお父さんが散歩に連れていったよ?」
『はっ?はいっ!?』
思わず私は仏間の父がいることの確認と(そりゃ動くわけないんですけどね)
犬小屋にいる犬が自分の家の犬であることを確認していました。
「あ〜。見えないよね。でも、父さん犬がつまらないだろうからって嬉しそうに
散歩に行ったの見えたよ?そのうち帰ってくるから大丈夫じゃない?」
『でも、犬、いるし。リードつけてないんじゃ危ないんじゃないの?』
「体は連れてってないから平気じゃない?車にひかれることもないし」
父は、亡くなってからも犬の散歩に行ってくれたようでして…。

それから、晩御飯までは犬は静かにしていました。
(『ゴハン〜っ!!』とは騒いでましたけど)


しかし、魂だけの父と、魂だけ連れてかれた犬。
残った体は大丈夫なものなんですね(違)。


※そのご友人は凄いですね。普通は分かっていても言えないものです。
奇異の目で見られます。悟っておられるのですかね?

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