【怖い話】映らない
 これもITOさんからの投稿。

もうひとつ。これも同じ友人と経験しました。喫茶店の経験との前後関係は不明で、やはり会話はう
ろ覚えです。
座席の前に人が立っていたりいなかったりという、ほどほどに混んでいる電車で帰宅途中のことです。
陽はもうすっかり落ちていて、当方と友人はつり革につかまっておりました。
当方の右に友人、左側には誰もいませんでした。(数人分の間を空けていたかもしれません)
当方がぼーっとしていると、隣の友人がこっそりと「ITOの斜め後ろに男の人がいるよね?」と。
すこーしばかり振り返り横目で確認。
見えるのは後頭部と背中の一部のみですが、確かに白髪まじりの男の人が向こうを向いて立っていまし
た。なので「うん」と答えると……「窓に映ってる?」と。
目の前の窓の外は夜暗。窓は鏡のように電車に揺れる乗客を映しています。けれど。
友人が指摘した男の人が映っているべきところには、その人の前に座っている乗客が。
ぎょっとしてもう一度ちらりと振り返って男の人の存在を確認。角度的に男の人の前に座っている人は
見えません。でも、窓にはばっちり映っています。
男の人は確かに後ろにいるのに……窓には映っていないのです。
「……いないね」
「だよね」
「なんでだろうね」
「不思議だね」
という会話をかわしつつ、怖さは感じませんでした。
あまりじろじろ見るものではないと思ったのか、その後その男の人がどこで降りたのか、最後まで窓に
映らなかったのかどうかはわかりません。

※吸血鬼ですかね? バキッ(.☆)\(^^;
 生きている人でもヤバイ状況に在るときは鏡に映らない事があります。
 また、異形の者が普通の人間の振りをして紛れている事は多くなりましたので、その可能性の方が高
いかもしれません。

 

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