【怖い話】未熟さ(呪詛の果て)

 文月さんからの投稿。

今回の投稿はこれで最後です。
あのお話をまとめてみました。
尊き方々には、この話の掲載の許可はいただきました。

この話は私の内から出すつもりはありませんでした。
妄想シリーズの1つですがこれは相手のあることですので、いつものものとは違います。
あの時何があったのかを知らなければ知った方が良いのかも、という思いで書きました。

ある掲示板に私が投稿していた時のことです。
その方の紡ぐ言葉には、カリスマと言霊の力がありました。
言霊に力が宿るくらいですから、実際に会えば力を感じたことでしょう。
その方は自分宛に投稿があれば最初は誠実さをもって答えていました。
瞬く間にたくさんのスレが立ちました。
私もいくつかその方のスレにコメントしたのですが、何故か私だけスルーされているよう
に感じました。

しばらくすると、段々その方が苛立って来ているようなスレになっていきました。
そしてそれを諌めてくれる方も現れました。
私は力を持ち、それを使うもの自身への戒めを自分への警告とともに書き込みました。
そしてその直後ついにそれは起こったのです。

その方を諌めた方と私を中心に呪いの言葉がその掲示板に投稿されていました。
ありていに言えば、見えない弾丸をお前に撃つぞ、という内容のものでした。
正直言ってその衝撃は私にとってすごいものでした。
その言葉を見たとき、見えない銃の撃鉄が上がる音まで聞こえたのですから。

物理的なことは何とかなるかもしれないけれど、見えないものに対してはどのようにすれ
ば良いか、周りを巻き込まないか、とその時はパニックになりました。
パニックになった私は慎さんにメールをしていました。
異変を察した慎さんはすぐに連絡をくれました。

その後、チャットで今までのことを話しました。
その詳しい内容は省きますが、神の名を使って呪いの言葉を吐いたとしても、その神が本
当にそんなことを許すのか、というようなことを諭してくれました。
落ち着いて来た頃、慎さんが私に言いました。

謝罪に来ているよ、と。慎さんは来ている方へ謝罪は自分ではなく私の方へ行くべきだ、
と言ってくれました。
そんなやり取りをしてる時、いきなりイメージが入ってきました。
白い古代の薄い夜着のような衣装を来た、ふくよかで美しく、歳の頃は30前後の女性が。
頭には白いハチマキのようなものを巻いていました。

彼女は私の前にただ黙っていました。
慎さんに、どうする?と聞かれました。
私は不愉快な思いをしたけれど、憎しみに焼かれて報復はしたくない。
私は何もしませんからあなたも私に何もしないで下さい。とその方に伝えました。

すると彼女は泣き崩れてしまったのです。
それを慎さんに話すと、彼女にとって随分キツかったな、と言われました。
意味がわからずにいると、彼女は誰もが知るような名の方で、その方の掲示板に吐いた言
葉を謝罪するために来たと言うのです。
それも「神」と呼ばれる方が、何も身につけず白い衣で現れることはどういうことか、と。

正直にいって私は混乱しました。
「神」と呼ばれる方が視えたこと、そのような方に謝罪されたこと。
時を同じくして慎さんが、その方にも何かあったらしい。
その方が何かに怯えるように掲示板で謝罪をしていると。
これには驚きでした。実際何が起きたのかは私は知りませんが、確かに掲示板で謝罪をし
ていました。

夜も更け、混乱しながらも落ち着いた私は慎さんにお礼を言い、チャットを閉じ寝ました。
その日の朝、意識が目覚めた時、遠くで古代の甲冑をつけた武神が私の方に向かって土下
座をしているのが視えました。
私は彼らの謝罪を受け取りました。

そして彼らに申し訳なく思いました。
この国でも名を知られた尊き方々の気持ちを汲むことが出来なかった自分の未熟さに対し
て申し訳なく思いました。
謝罪を受け取った私へ彼らは小さな送りものをくれました。
私は贈り物は望んでいなかったのですが、彼らの気持ちが嬉しくて喜んで受けました。

これを書く時に迷ったのは、実際に相手がいること、そして尊き方々のこの時の姿を文に
起こすことでした。
ただ、自分の未熟さを戒めるためにまとめてみました。

※簡単に言うとある方が神の名を使って文月さんに呪詛をかけた顛末です。
※私も関わっている話ですので、詳しい解説は出来ません。
※ただ、神々を調伏したのは後のお姉さんです。
※呪詛は無意識でも発動しますが、必ずしっぺ返しが来ます。
※呪詛を受けた側は恐怖に囚われることなく冷静に対応せねばなりません。

 

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