【怖い話】総合病院の夜

 ののさんの投稿。

盲腸で入院した、祖父の体験談です。理系で現実主義の祖父は、薬の副作用の幻覚だろう
と話を締めくくっていましたが、転院してからも忘れられない様で、ずっと気にかけてい
ました。

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夜、ふと目が覚めた時。

4人部屋の窓際の病院のベッドで寝ているはずなのに、黒い雨が振っていたそうです。

お見舞いの時に孫の私が作った折鶴が濡れてしまう、と思って手を伸ばしてもどうしても
届かない。

黒い雨が床を濡らして、湿地帯の様になり、カーテンと天井の隙間からは、白い煙が入っ
てくる。

たまらず、隣のベッドの人に呼びかけ、確認してもらったそうです。

床も濡れていないし、テレビ台の鶴も汚れていないと言われ、夢でもみたんだろうと自分
に言い聞かせ、祖父はまた寝付きました。


朝になるまで、何度も目が覚めたそうです。

その度に、ベッドの周りが全てカーテンで囲まれて、誰も居ないのにカーテンが少し開い
ていたり。閉じていたり。
蜘蛛の巣が降りてきて、顔周りを払っても払っても、纏わり付いてきたそうです。

話を聞きながら私は、黒い雨は血だったんじゃ…と連想してしまいました。

祖父の病室は最上階で、その上は屋上。総合病院が出来た頃、屋上からの飛び降り自殺の
噂を耳にした事まで思い出して。

怖い思いをした事は、話したから終わった事にしよう、今はもう見ていないよね?と転院した祖父に聞きました。
あまりに現実味があり過ぎて、腑に落ちないけれど、もう見ていないと。

祖父は転院先で回復しましたが、初診より総合病院での入院治療中に、かなり状態が悪化
していた事が発覚しました。

関連づけたくありませんが、あのまま入院していたらと思うと、ゾッとします。

※黒い雨、白い霧、纏わり付く蜘蛛の巣の様な物とくれば、霊体験に詳しい人なら「ああ」
 と手を打つでしょう。紛れもない霊現象で、かなり強いものです。
※自殺との関連性は分かりませんが、病院を替わったのは良かったです。
※私は病院勤務の経験もあり、入院経験も豊富ですが、やばい病院は存在します。
 

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