【怖い話】ドッペルゲンガーと子供の共通点
水渓さんからの投稿。
思春期。
私が高校生の頃だ。学校から帰ってきてこたつでぼーっとしてたら、中学生の弟が帰って
きた(兄が学校まで車で迎えに行った)。
「え!」
弟が怯えたように目を見開いて私を見ている。ずっとここにいたの?と聞くので頷くが、
弟が納得しないので段々わたしはイライラしてきた。
聞けば、家から200mばかり離れたところで、当時飼っていた犬を連れた私がお散歩をし
ていたらしい。当時よく着ていた茶色のダウンコートと何より愛犬がセットだったから絶
対に私だと弟がゆずらない。
「ずっとここにいたし、嘘ついてないけど。おかしな話だなー」とかなんとか私が返すと、
弟が苦々しい顔でこう言った。
「あの姉ちゃんの顔、怖かった」
弟はたまに何かを見る体質なので、なんとなく私はその先を聞くのがためらわれた。…が、
結局気になったので最後まで聞いた。
「目がなかった。口も。穴があいてるみたいに真っ黒で口が耳まであった」
ちなみに弟はその後も1回、その私を家の近くで見たと言った。
それから時が過ぎて私は二十歳前後。
夜22時くらいだったか、ドライブを終えて家に帰る最中、道路脇に家が密集する通りに
差し掛かった。
と、そこでいきなり頭の中に男性の声が響いた(浮かんだ?)。
『スピード おとせ』
驚く間もなく身体がギュッとロックされると、勝手に足がブレーキを踏んでいる。私はそ
れを一歩引いたところからお客さんみたいに見ているような感じになってた。
体感だと時速20キロくらいだったと思う。その状態で50mくらい運転していたら左の民
家のブロック塀陰から男の子がいきなり飛び出してきた。
ニッコニコの笑顔で。
とっさにブレーキをかけたが男の子はめちゃくちゃ足が早くてすでにいなくなっていた。
なんつーイタズラだよ!と怒って家に帰ったが、あとで考えたらぞっとした。
ライトが当たってるのに男の子の顔は目と口が真っ黒。弟が見た私ドッペルと似ていたこ
とに気づいた。
この地区では他に、沼に車が落ちてるのを発見したり(幸い怪我人なし)、黒猫が車の前を
横切った後すぐに車がパンクしたり、なんだか色々ありました。
※ドッペルゲンガーと子供の正体は狢ですね。奴らは人の顔を真似られんのです。
近くに「狢穴」なんて地名残っていませんか?
※この地域、あやかしの世界と人間の世界が被って居る様です。
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