【怖い話】開運の地での怪(長文注意)
朝子さんからの投稿。
ここ数年、ある障りに悩まされて心身ともに痛手をおっていましたが、なんとか見通しが
たってきたので、その話を書こうと思います。
文をまとめるのが不得手で、ひたすら長いです。すみません。
今から10年位前の頃、私は仕事関連のことで悩んでいました。その時にパワースポット
関連の本を手に取り、仕事や勝負事は⚪⚪神社への祈願が有効という記事に強い関心を持
ちました。
気分転換をかねて私は⚪⚪神社へ日帰り旅行に行き、お賽銭を入れて仕事を頑張れるよう
にと祈願をしました。
すると頭の中に
「受けとめたぞ」
という男性の声がしました。
今まで神社や寺の敷地に入ると、頭の中にいろんな映像が見えることがあっても、声は初
めてでした。
ただ素直に嬉しく思い、祈願の記念に学問守りを買って、その後は観光を楽しみました。
ですが、私はあることに不信感をもっていました。
神社等は相性の合う合わないがあります。何故か私は⚪⚪神社の鳥居をくぐっても、神域
らしき清浄の気を感じられなかったのです。どんなに小さな神社でも綺麗に手入れをされ
て祀られている所は感じることが出来るのに……
「変だなあ」
正直にそう思いました。
ですがその後に⚪⚪湖のフェリーに乗った時、湖上に天女のような綺麗な女性が舞ってい
るのをデッキから見えることがありました。
「やっぱり昔から有名なパワースポットは凄いなあ」と感激していました。
後で考えると、私の警戒心をとって油断させるためにわざと天女の幻影が現れたように思
います。
それから1ヶ月後。
仕事の悩み事は解消されないまま、悶々と日々を過ごしていましたが、自分の周囲に人の
ような気配を感じるようになりました。
気になって後ろを振りかえっても、誰も見当たらない。
そんなことが多くなっていったある日の夜のこと。
ふと夜中に目が覚め、うとうとしていた時。
いきなり体が熱くなり、子宮を中心に痛痒さが全身に現れました。
多分、その時間は約1~2分ほど。
防護のお経さえ、唱える間を与えぬほど早急なものでした。
あまりにも異常な事態に、ただ呆然とするのが精一杯でした。
そして毎夜、この現象が続きました。
しばらく経つと、今度はさらに子宮のあたりが重くて辛い状態が数十分続くようになりま
した。
必ず寝ているときに起こり、毎日のことなので睡眠不足になり、体調を崩していきました。
体調が悪いとこの事態について冷静に分析することが難しく、また分析しようとすると昼
でも夜中に起きる現象がすぐ現れるようになりました。
心身ともに消耗した私は内容が内容ではあったのですが、お参りする寺のお上人様にご相
談しました。
お上人様は私をじっと見て、
「最近、どこかへ出掛けたり、祈願をしたことはないかな」
と聞かれたので、⚪⚪神社で仕事の祈願をしてきたことを話しました。
「多分、それだね。君は仏教を信仰しているのに、なぜ他の神様に祈願をしたんだ」
「えっ、でも他の人達も普通に神社やお寺で祈願をしてますよね。日本人なら当たり前の
ことではないのですか」
「きちんと信仰している人間は、そんなことはしないんだよ。君は仕事の悩み事を自分の
信仰神ではなく、他の神にすがった。こういうのを浮気信仰と言うんだ。だからこれは神
障りだ。原因は君にある。自分の悩み事から逃げた弱い心が問題なんだ」
ただ、私は唖然としました。
そして他の人達と同じことをしているのに、なぜ自分がこんな目にあうのかを尋ねました。
「君はね、他の人よりも念が強いんだよ。他の人達の思いは神に届かなくても、君は届い
てしまうことがある。そのことにもう少し自覚したほうがいい。
今回の件は何かに目をつけられたのだから、原因元を瞑想をして探りなさい。
君 なら出来るから。
あとこれは僕が祈願をしても取れるものではないから。君自身の心を変えなければ事態は
おさまらないよ」
でもどうしても納得出来なくて、
「なんでこんな性的なことばかりが起こるんですか」
と、半分泣きながら再度尋ねました。
「神様でも人を好きになるんだよ。神道の神様は、人と同じ感情を持っていることが多いからね」
「でも、なんで私なんかっ」
「単に君がタイプだったんだろうね。神様にも好みがあるもんね。
うちの宗祖様(男性)は法力が強いから、ある稲荷神様(男性)が惚れて押しかけてきたらしい。
『尻の穴を狙われて大変だった、なんとか諦めて頂いた』と話されていたからね。苦労したらしいよ」
全く嬉しくない裏話を知り目が点になりながら、とにかくなんとか障りの元を探る態勢に
移りました。
私の所の宗派では独自の瞑想方法があり、在家の者でもこの方法をマスターすると神仏か
らのお知らせ(映像・声・香り・それらの総合物など様々)が頂けるシステムになっていま
す。
頂いたお知らせを僧侶へ報告し、ご指導を受けるのが一通りの流れになります。
お寺にお参りが出来、また原因が分かりますようにと祈願をしたためか、考えたり念じる
気力はなんとか取り戻せました。
私は少し変わり者で、内容によってはお知らせを自分で分析して行動に移して良いとご指
導を受けています。
お上人様の指示された通りに目を瞑り、原因が見つかりますようにと祈ると、大きな湖の
側で初老の男性僧侶の後ろ姿が頭に浮かんできました。
湖は旅行に行った場所によく似ています。
『こいつだっ!』
直感で、そう感じました。
かなり昔の僧侶のような風情でした。
⚪⚪神社は成り立ちに僧侶が関わっている歴史背景があるのを思い出しました。神社内も
いろんな神々を祀る石碑等がいたるところにあり、その中で僧侶もいたような気がしまし
た。
このことを寺のお上人様へ報告をすると、
「そのお爺さんの僧侶は、もうこの世にはいないね。随分、昔の人だろうね」
とだけ話しました。
「頑張りなさい。この障りが消滅出来たら、君は次への段階に進めて成長するよ。
それに人間を不幸にするのは神とは言わない。
神は人に道を示して導く者だけを指すんだ。
でも実際には神のような力を持つ神崩れはかなりいるから、厄介だね」
この性的な障りは24時間絶え間無く続き、子宮部分や性器が重く感じたり、熱く疼いた
り、またズクズクと鈍い痛みの症状へと移行していきました。
酷いときは寝込むときもあり、私は心身ともに衰弱していき、仕事を時々休むようになり
ました。
自分を変える。
これは並大抵のことではありませんでした。
ある日、例の性的な現象があまりに酷くて寝たきりに近い状態になってしまいました。(念
のため、病院で検査をしても異常なしでした。)
こんな酷いことを好んでする相手が世間一般では神と奉られていることに絶望するのと同
時に、なぜこんな目にあうのかと、自分にも絶望していました。
ちょうどそのときに、
「案ずるな」
と、男性の声がして、寝ている私の側に誰かがいるのを感じました。
独り暮らしなので他人がいることはありえないのですが薄目で見ると、知らない1人の青
年がいました。
どことなく懐かしく、親しみやすい容貌で、兄がいたらこんな感じだろうなと思ってしま
う雰囲気でした。
すると、酷かった性的な現象がやや落ち着き、起きれるようになりました。
当たりを見回すと、やはり部屋には私しかいませんでした。
そしてこれはある本を読んで知ったのですが、人に呪いをかけるときは術者の私物や術具
を対象者の生活スペース等に置くのが基本であるとのこと。
このことを知ったときに、なぜかあの神社の御守りがふっと頭をよぎりました。
私は職場のロッカーにあるあの神社の学問守りを処分しました。
すると例の性的な現象が半減しました。
助かったと思うと同時に、ここでやっと相手が高度な呪術を使えるのだと理解しました。
ことの流れをお上人様に報告すると、
「多分、その見知らぬ男性は、⚪⚪⚪様(※「版画の菩薩」の祀神様。以降はH神とします)
だろう。君が怖がらない姿をとったの だろう。神の姿形は変化自在だからね。」
その頃の私は、ある意味、男性恐怖症気味になっていました。なので、本当にありがたい
なあと、以前よりも読経をするようになりました。
でも、勢いが小さくなってきたとはいえ、それでも24時間絶え間無く性的な障りは続き
ました。
念のため、何回か子宮の検査をしましたが、やはり異常なしという結果でした。
そして数年が経ち、性的な現象は少しずつではありますが、症状が軽くなっていきました。
そして気がついたことがありました。
私の気分が落ち込んでいたり、身体的に疲労が激しいときに、性的な現象がとても強くな
ることに。
私の中で生まれる負の要素が、例の障りを強く刺激するのだと。
この連鎖を絶たないと、いつまでもこの異常な状況は変わらないのだと。
このことにやっと気が付き、ふと、自分の部屋を見渡しました。
その日は仕事は休みで晴天であるのに、雨戸を閉めていて部屋は真っ暗。
床は本や洗濯して仕舞わない衣類の山。
台所の水場は洗っていない皿や生ゴミの山。
友人達とのこまめなやりとりをしんどくて放棄していたので、交流が途絶えた状態。
私はどちらかと言うと家事は好きなほうなのに、それがいつからこんな部屋になってしま
いました。
特に部屋の状態って、実は自分の心の状態とリンクするものなんですよね。不思議と。
「なんじゃあ、これは!? これはアカン~!」
と、思った途端に頭の中で、なぜか粗塩と花が浮かびました。
そしてこの2つを早急に準備しなくてはと感じ、すぐ買いに行きました。今まで気力が萎
えていたのに、この時はなぜか体か動けました。
花はなぜか赤・黄・白・青の4色を揃えなければと思い、それらに近い色の花を必死に探
しました。結局、青い花は無かったので、仕方なく紫のふちのあるトルコキキョウを選び
ました。榊も一緒に買いました。なぜか必要と思ったので。
そして盛り塩をしようと白い紙で箱を4つ作り、粗塩を山盛りで入れて自分が座る傍の4
隅に起きました。榊と花は花瓶に活け、また部屋の窓を全て開けて風通しを良くしました。
(※真冬の1月)
勝手に自分の体が動いていて、私はそれを眺めている。
正直、そんな状態でした。
なにやってるんだかな~と思いながら座っていると、私の身体のまわりに黒っぽい蛇のよ
うなものがグルグル回り続けていることに気が付きました。
目を凝らしてじっと見ると、それは長くて細い黒龍でした。
「あっ、見破られた」
その黒龍からそのような感情が私に流れ込んできました。そして私の身体のまわりに回り
続けて次第に透明になっていき、消えていきました。
人って予想外の物事に遭遇すると、実際は目にしているのに、信じようとしないんですね。
「なんか今、変な物を見た気がするけど。まあ、あれだ、気のせいだわ。」
私はその日、疲れているんだという結論に至り、即効に寝てしまいました。
でもそれから体調が少しずつ良くなってきました。
そして新しい住まいに転居をして、今にいたります。
まだ少し性的な現象がありますが、日常生活に差し障りがなくなってきました。
寺のお上人様に、この話を出してみたところ、
「黒い龍は良くないね。良いのは金色の龍だね」
とのこと。
「相手は龍を式神として使えるぐらいの術者ってことですよね。ただの念力が強い初老の
僧だけではないみたいですが、いったい何者なんですか。やっぱり神の類いなんですか」
「背後にいる輩があれだからねえ……」
もうそれ以上を聞くには、今の私には荷が重いです。
自分が想像しているより、凄いのに目をつけられた。そしてかなりの物好きの阿呆だった。
これでいいやと思いました。
しかし性的な障りを起こして何をしたかったんだろうと、今さらながら思い、瞑想をして
真意を探ってみました。
頭の中に「嫁」という字が現れました。
そういうことだったのか……、私は納得しました。
だからと言って、許す気はありません。
「菩薩を求めて厳しい修行をして行き着いた結果が、女の尻を追っかけることなのか。い
つまでも色欲に溺れて情けない。自分の欲望の為に、1人の人間を不幸にする男が、女を
幸せに出来るはずがない。未来永劫に常闇でさ迷えばいい」
私は例の相手に向かってそう心の中で叫び、白無垢を思い浮かべてそれをビリビリに破く
絵を連想しました。
白無垢は例の相手の時代にはまだ存分していないような気がします。
ですが多分、私の真意は届いていると思います。
この障りに振り回されて、かなりの年月を消耗していまいました。正直、私はもう若くは
ないです。
でもせっかくならば、それでも自分のやりたいことをして、最後に
「やるだけやったから悔いはない」
と死ねたら良いと思っています。
1日も早くこの嫌な障りを無くしたいです。
世間で騒がれているパワースポットの数々。
でも中には私みたいに変な輩に目をつけられて、余計に運気を落とすこともあります。
正直、パワースポットというものの中には、危険な場所が結構あるのではないかとの疑念
がわいて消えません。
※神韻渺々とした本物の聖地は存在します。しかし、光あるところ闇がある。聖地の側に
は巧妙に仕掛けられた魔所が存在します。
※また、本物の聖地でも、日時によっては人気を嫌い、祟りを為すことがあります。
※故に、禁足地や禁足日は厳格に守らねばなりません。
※聖地や古い神社に神は居ますが、彼らは生身の人間とは価値観が違いますし、崇め奉る
モノです。願い事をする存在ではありません。
※比較的新しい神社には人格神がいます。また聖地には神の式となった霊がいます。これ
らは契約神で願い事に対価を求めます。朝子さんは「受け止めたぞ」との言葉で、これ
ら低俗な神と契約をしてしまったのです。
※色情因縁を結んだ訳ですが、霊との交わりは肉体的制限が無い為、至上の快楽を伴いま
す。強欲な霊だと時と場所を選ばないので、日常生活が営めなくなります。
※浮気信仰との意見がありますが、余りに狭量な言葉です。仏法においては悟りを目的に
しますから、他宗の仏や神社で手を合わすことを禁じる筈がありません。何らかの人格
的な諸天のいずれかと契約することで神通力を得る宗教ではないかと思います。人は悟
ると諸天諸仏の方から付き従うものです。
※上人さんは、朝子さんの契約だから手を出せないと言っていますが、この因縁を解くの
は簡単です。より上位の存在に動いて貰えば良いだけです。朝子さんは自力で因縁を解
く力もお持ちですが、自らにストッパーを掛けているとしか思えません。
※黒龍の名誉の為に言いますが、黒龍全てが悪しき存在ではありません。彼らは龍族の中
では人間により近いだけです。
※天女や天使、観音菩薩などが姿を見せることはありますが、大半は下等霊が化けたもの
です。本物の彼らは僅かな自然の移ろいにその姿を現すものです。特例を除いて。
※どんなに高名な寺社仏閣でも、安らぎや清々しさが感じられない時は退散すべきです。
※願い事は対価を求められる契約だと弁え、お賽銭と言う行為は本当の神には、汚物を投
げつけるに等しい行為だと言っておきましょう。
※朝子さんは今も障りがあるようですが、精神世界との向き合い方を変えれば即座に解決
出来ると言っておきましょう。
怖い話Index