【不思議な話】とある怨霊の真意(長文注意)
【開運地での怪】での神社へ行った後の頃。
私はある掲示板の神様と関わりを持つ人達が集うところに体験談等をよく書き込みをし
て、いつのまにかメンバ一の一員になっていました。(今は場を離れています)
ここであった出来事で印象に残ったものを書いてみようと思います。
※掲示板での主なメンバ一(※仮名)
★稲男さん(神道系∶男性)
祈願をして無償で人助けをし、多数の信望者がいる。病気治癒をはじめに天候の操作・妖
怪退治など、あらゆる分野を行っている。
★豊男さん(神道系∶男性)
神道のある神を代々祀る神社の一族の出身。ヒーリング能力に長ける。
★大男さん(神道系∶男性)
飄々として謎めいた人。メンバ一の中では多分、一番行が進んでいる強者。
★名古女さん(神道系∶女性)
先祖が神主・拝み屋等をして、代々に渡り能力者を出現させている家系。
★竜女さん(仏教系∶女性)
幼少から能力があり、ある仏教団体で修験道を学び僧侶の資格を持つ。多分、なんらかの
式を持っている。
★朝子(仏教)
落武者に関わる家系。(嫌だ、こんな家系)ある仏教宗派の普通の在家。
そうそうたるメンバ一が揃い、なぜこの中に自分がいたのか不思議なくらいでした。
お上人様からは訳の分からない神にかかわると神障りにあったりするから交流は辞めたほ
うが良いと忠告を受けました。
ですが、本音でこの分野を話せる人達に会えたので私はその忠告を無視してしまいました。
掲示板ではまとめ役が主に稲田さんで、人を助けるには力が必要と意見をあげ、私はその
ことに関しては中立の立場を取ってました。
私は人に触れると、その人の関連するもの(故郷の風景が大半)が時々見えることがありました。
そのことを掲示板に書くと稲田さんから触れなくても念じれば見えると指摘され、簡単な
方法を教えて貰いました。
私が今まで以上に様々なものが瞑想や念じて見えやすくなったのはちょうどこの頃のよう
に思います。
でもそれが果たして良いのかは、今でも正直わかりません。
私以外にも他のメンバ一やロムの人達がこぞって稲田さんにいろんな能力の開発方法を質
問して実践をしたり、さながら掲示板は能力開発道場になっていました。
そんなある日のこと。
竜女さんがある件を掲示板で相談をしました。
『かなり昔から障害者(知的・身体的の両方)や病気、または短命な者が多くて根絶やしに
されそうな一族がいる。原因はある怨霊が祟っており、なんとか消したいが強力で手に終
えない。良い方法はないでしょうか』的な内容だったかと。
何が原因で怨霊がその一族を祟るようになったのかは不明とのこと。
稲男さんは強い化け物を術でねじ伏せて退治することを得意とし、また本人も力技を好ん
でいました。
当然流れは怨霊を消去する方向へ。
そのような中で私は『祟る原因』を知りたく、何か見えたらいいなとあまり深く考えずに
大元を瞑想で探ってみました。
今でも無知だけど、この頃の私は無知過ぎました。怨霊へ直接透視しようならばすぐ感づ
かれて攻撃を受けてしまうのですが、当時はその知識がありませんでした。
……ですが、なぜか怨霊は私に攻撃をしてきませんでした。
それどころか怨霊らしき者が今の状況になるまでの流れがダイジェストの如く、私の頭に
流れ込んで来ました。
《ある一人の青年が大きな邸に呼ばれて出向いていた。頭はちょんまげをしていなくて武
家なような格好。生地は焦げ茶色の品のある着物で、育ちが良さそうな感じ。周りの雰囲
気はのどかなので戦国時代ではなく、さらに昔の時代っぽい。(室町か鎌倉時代?)
呼ばれていた邸の庭に入り、しばらくするといきなり刀で誰かに斬りつけられる。
不意討ちの為に防げなく、斬られてそのまま地面にうつ伏せで倒れる。
斬りつけた男(同じ年恰好)が倒れた焦げ茶色の着物の青年を、さらに刀で滅多刺しにして
いる。
あげくの果てに青年の首の後ろに刀刃を当てて、ノコギリをひくようにゆっくり時間をか
けてなぶる。
その行為の最中は声にならない絶叫が、絶え間無く鈍く響き渡る。
青年が虫の息になると、危害を加えた男はその場を去っていく。
青年は意識を失えずに最期までもがき苦しんで、壮絶な痛みの中で憎悪を募らせ死んでい
く》
この映像を見終えた時、あまりの凄まじさに茫然としてしまいました。
そして死んだ青年が怨霊の本体であり、殺した男は祟られている一族の先祖なのだろうと
察しました。
過剰な同情は厳禁。頭ではわかってます。
でもこの惨劇を目にするとどうしても「これと同じことをされたら恨みたくもなるわ」と
思ってしまいます。
信じてもらえるかわからないけれど、私は見た映像の内容を掲示板に書きました。
すると即座に竜女さんからも、「今、自分の首の後ろに刃物を当てられた感触があった。
見た内容のようなことが実際にあったのだろう」と書き込みがありました。
おおまかな原因の究明が出来たのですが、祟られている一族の状況がかなり深刻らしく、
一日でも早く怨霊を消滅させるという流れは変わりませんでした。
どことなく一族の霊障が頭や首に集中しているような感触があり竜女さんに訊ねると、や
はりその通りとのこと。
首から上の障りは神関係と聞きますが、もしかしたら怨霊ではなくて祟神のレベルだった
のでしょうか。
一刻も早く消滅させるがかなり強力なので難しいかもしれないとの稲男さんの書き込みを
目にした時。私は本当にこれで良いのだろうかと気になりました。
私は怨霊の本当の気持ちが知りたくて、もう一度瞑想をしました。
(※これは本当に危険な行為で、下手すると死ぬと思います!! 無知でアホだから出来た
ことであり、今の私は絶対しません)
当たり前でしょうが相手は怨霊。
心を閉じているので、なかなか本心にたどりつきません。(って言うか、初めて心を探る
対象者が怨霊っていうのも頭どうかしてます)
かなり深い所の意識にやっとたどりついたような感触があり、怨霊の真意を懸命に探りま
した。
周りは暗闇で光は一切無い空間が広がり、長くここにいたら自分の魂も凍えそうです。
そして消え入りそうな微かな意識ではありましたが、
『…………苦しい………………救われたい…………』
という呟きを聞きました。
確認した私は即座に掲示板にこのことを書いて、怨霊の真意は供養を求めているのを伝え
ました。
まだ人の意識が残っている彼なら、供養の方法で事態の鎮静が可能という確証が取れたか
らです。
竜女さんから、供養は、想像するには難しいという意見のみあがりました。
……数日後。
稲男さんの掲示板書き込みで、全て事なきを得たという文字を目にした時。
私はすぐパソコン画面を消して、彼に力になれなかったことを心の中で詫びました。
でももうその彼は、この世には存在しないのですが。
庵主さん著作【黒い禊ぎ】の中で怨霊と天野の会話部分を読んで久し振りに思い出した体
験でした。
この世から消されたけれど、彼が存在した時間軸は残されています。
私は勝手に過去の時間軸を「歴史時間」と呼んでいます。
怨霊の彼の最期は少しでも安らかな境地であったのだろうか。
また、なぜ彼の過去や心を探った私を攻撃しなかったのか。
いくつもの疑問が湧き、数年ぶりに彼の「歴史時間」にアクセスしてみました。
結果、私が彼の真意を探りに来た時。
なぜか私は彼側の視点で、その時の状況を見ていました。
彼から見た私の意識は光に見えた様子。
光が一切射さない場所みたいなので、普通の人がそこの空間にいたら光みたいなものかも
と納得。
また私の後方におぼろげながら着物姿の上品な雰囲気の年若い女性の姿がありました。
私を通して誰かの姿を重ねていた様子。
多分ですが、とても大切に思っていた女の人のよう。
男性が心底辛い時に支えになるのは大切な女性の存在なんでしょうね。
人としての在り方を改めて教えて貰ったような気がしました。
また私を攻撃しなかった理由。
憶測なのですが、稲男さんが関わった時点で、彼は自分は消されることを予測していたの
ではないかと……。
誰でもいいから自分の人生を、また真意を知って欲しかった。
その聞き役がたまたま私であった。そのような気がしました。長々と失礼しました。
※ここで朝子さんの言う「掲示版」とは誰もが知っている日本最大の掲示版のことである。
※私は使い方も分からないので、見た経験も無いのだが、ここの「オカルト板」は極端な
玉石混交でその筋の方には有名である。とてつもなく低俗なスレがあるかと思えば、知
る人ぞ知る大物が秘中の秘を語っていたりするらしい。
※異能力者が数名あつまると、私達の仲間で言う所の「ブースター効果」が発動する。
※「ブースター効果」とは異能と異能が反応し合い、互いの能力を増幅することを言う。
能力がこれまで無かった人でも、触発され能力に目覚めることがある。
※異能力者は孤独である。実の親にも理解されず、幼少期にトラウマを持つことも多い。
※それだけに同じ異能を持つ者同士が知り合うと百年の知己を得た様に感じる。あまりに
も急速に親しくなりすぎて、関係を壊すこともままある。
※怨霊への霊視は祟りを避ける為には必要です。しかし、行うにはそれなりの護法を用意
しておかねばなりません。力業で滅ぼすのは下策で、相手の名を知りさえすれば、縛る
事が可能です。
※自分の生きた意味を知って欲しいと言うのは万人の願いではないでしょうか?
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