【怖い話】夕暮れ時の住宅街
朝子さんからの投稿。
以前に住んでいた住宅街であったことです。季節は秋から冬になるぐらいと記憶していま
す。
夕陽が沈む頃、私は駅前の本屋に行っていました。
用事を済ませ、住宅街の中にあるいりくんだ迷路のような道を歩いていた時。
『危ない!
早くこっちに来てっ!』
いきなり甲高い女の子の叫び声が聞こえました。ですが、辺りは人は見当たらなく、私独
りだけです。
気のせいかと思っていると、
『危ないから早く!
早くこっちに来てっ‼』
と、やはり女の子の叫び声がまた聞こえます。でも誰もいない。
不思議に思いながらも悪意が無いように感じたので、声が聞こえる方面へ歩きました。
『こっちよ、こっち!
ここなら隠してあげられるから安全よ』
と再び声がします。やっぱり誰もいないけど。
声に従った場所はある一軒家の側で、頭上に大きな木が繁っていました。
先程の場所から約30メートルほど離れており、夕方になり周りが薄暗くなってきたので、
こちらは見えにくそうだと感じました。
しばらくすると先程の場所の道に一人の青年がゆっくり歩いてきました。
毛糸の帽子を深く被り、ジャンパーとGパンという格好です。
歩いている青年を遠くから見ていると、いきなり全身の毛がザワッと一気に逆立ちました。
何あれ⁉
気持ちが悪いっ‼
そう感じていると、『あれに見つかったら危険。大変なことになる』と、頭の中で女の子
の声が響きました。
息をひそめて私はただそこに立ちすくんでいました。
青年の姿が遠くになり見えなくなってから少し経つと、
『もう大丈夫、早く家に帰りなさい』
と言う女の子の声。
「ありがとう」
とりあえず心の中でお礼を言うと、私は駆け足で家に帰りました。
念のために祀神様へ道を歩いていた青年についてお尋ねすると、「色魔」という字が頭の
中で浮かびました。
正直、普通の住宅街にそんな輩がいることが信じられないのですが……。
後日、同じ場所に行ってみましたが、道が多少いりくんだどこにでもある住宅街で、特に
変わった様子はありませんでした。
引っ越す当日に再度同じ場所に来て、心の中でお礼を言いました。
いまだによく分からない不思議な体験でした。
※これは守護霊が守ってくれた典型的な例でしょう。
※男は『魔』に憑かれた存在で、人目に触れることなく凶悪な犯罪を為します。最近、『魔』
に憑かれた人が増える傾向が見受けられます。
※朝子さんは一難を免れたのです。
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