【怖い話】屋根を叩くモノ

 お盆の最中の話である。
 深夜の阪奈自動車を車で走っていた。空いていたので随分スピードを出していた。
 周りを山に覆われた谷に掛かる箇所に差し掛かった時の事である。
「ドンッ! ドンッ! ドンッ!」
 何者かが左の後部座席の上を激しく叩いた。
 突然の事にぶったまげた。音は激しくしつこい。
 急カーブが続く箇所なので、運転をミスる訳にもいかない。
 スピードを法定速度まで落としたが、音は激しくなる。
 確認しようと後を向いたら、その瞬間、事故る予感がしたので、振り向かなかった。
 道が直線になった辺りで音は止んだ。
 あれは何だったのだろう?




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